トップカウコミックスのTHEMAGDALENAVOL3712号20112012年が掲載されたTPBTHEMAGDALENAVOL2を読了する。
ライターはロンマーズ。
78号のアーティストはケウチャ、912号はネルソンブレイクⅡデビッドマルキーズ。
前回までのあらすじはを参照。
ownerid1110789シスターズSISTERS78号誰も知らない真夜中に、人知れず魔物を始末する聖女あり。
その修道士はヴァチカンの認めた女戦士マグレーナ。
しかし、フードを外したその姿はペイシェンスではなかった。
彼女の名はアネリ。
ヴァチカンのフェレッティ枢機卿に見出された、確かにマグレーナの血をひく者。
しかし、マグレーナは一世代に一人であり、前任者が死ぬまでその使命を授かることが出来なかった。
アネリは巧みにフェレッティ枢機卿に唆されて、マグレーナの証である聖槍スピアオブデスティニーを奪うべく、ペイシェンスのいるパリへと馳せ参じるが。
ザワン、トゥルークロスTHEONETRUECROSS912号ペイシェンスはある日、イセント枢機卿によってヴァチカンに呼び戻される。
用件は十字架の欠片の回収についての依頼だった。
ヴァチカンの調べでメキシコのある教会にて収納されている事が判明したのだ。
ヴァチカンで回収済みの別の欠片にペイシェンスが触れると、ペイシェンスのスピアオブデスティニーと同じく聖なる光を放った。
超自然的なパワーを持つ欠片は、危険に繋がる可能性がある。
ペイシェンスは師でありパートナーでもあるクリストフと連れだってメキシコの教会へと旅立つが、その教会にあった欠片は偽物であった。
更にペイシェンスを出迎えた牧師も偽物であり、欠片は中国系人種によって構成される国際的窃盗団によって、今にも盗まれようとしていた。
ペイシェンスとクリストフは欠片を奪還しようと窃盗団と争ったが、装備をしていなかったペイシェンスは腹部を刺されて負傷してしまう。
クリストフがペイシェンスを介抱している間に窃盗団は逃げてしまった。
その際に欠片はおろかスピアオブデスティニーまで奪われてしまう。
ペイシェンスは自らの手から放った光によって自分の傷口を治癒したが、犯人達を今から追うのは厳しい。
インターネットで自分達と争った窃盗団のリのクオヤンが、NY州のシアトルを拠唐している事を知ったペイシェンスは、NYの友人に連絡した。
その友人とはサラペッチーニ。
NYの特殊犯罪捜査官であり、ウィッチブレイドのホストでもある。
サラの協力でクオヤンを追い詰めたペイシェンスは、聖十字架の欠片とスピアオブデスティニーが、ある古物の闇ブローカーの手に転売された事を知った。
その闇ブローカーの名はウー。
彼は超自然的な力を持つ古物を収集しているのだ。
ペイシェンス、クリストフ、サラの3人は聖十字架の欠片とスピアオブデスティニーを回収するべく、香港にあるウーのアジトを目指す。
だが、彼女達がそこで見たものは、聖なる力を集めて太古のドラゴンを復活させようとしているウーの姿であった。
78号はマグレーナシスターマリエッラ初登場のTHEDARKNESS1518号1998年に共に登場したリヴァレンドシスターズや、最初の単独シリーズTHEMAGDALENABLOODDIVINE20002001年に登場したガードナを再登場させる等、ヴァチカンという組織のマグレーナ以外の戦士をあえて出す事で、マグレーナ初期を思わせるディティールを施している。
これは、今回登場したマグレーナ未満の存在であるアネリに、かつてのシスターマリエッラのようなヴァチカンへ恋風 エロの盲信や、シスターロザリアのようなスピアオブデスティニー無きマグレーナ等、ペイシェンス以前のマグレーナを投影させて、あえてペイシェンスの影の存在として対岐させる事でマグレーナに纏わる信仰と宗教の違いというものを浮き彫りにしている。
ペイシェンスはヴァチカンに組み込まれている事に懐疑的ではあるし、アネリと違ってマグレーナとして生きる事に人生を費やしたいとは思っていないようであるが、ペイシェンスなりの使命感や信仰信は持っているので、マグレーナの称号やスピアオブデスティニーを譲る気も更々なく、この辺りは上手くコントラストがとれている。
また、ペイシェンスを目の上のコブと思っているイセント枢機卿にも敵対勢力がいるという事でもあり、ヴァチカンが一枚岩の組織でない事が世界観をより掘り下げているといえる。
ちなみに向かって左がペイシェンスネルソンブレイクⅡデビッドマルキーズ画、右がアネリでストームではないケウチャ画912号はマグレーナが魔物退治でなく、秘宝の調査や回収といった任務も請け負うパターン。
過去にラプチャーを巡ってララクロフトと戦ったり、マヤ文明の秘宝絡みでヴァンピレラと共闘した事もある。
キャラ共演パターンを踏襲したのか、後半はサラペッチーニウィッチブレイドがゲストで登場。
もっとも、これは一年という短命で終わったレギュラーシリーズの、最後を飾る為の特別枠なのかもしれんが。
今回の悪役であるウーのキャラが、中華思想な人物で割とベタなアメコミの悪役で良いが時代錯誤でもある、窃盗団のリのクオヤンも小悪党であるが、どこか人間味も持ち合わせたグレーなキャラで今後の再登場も期待したい。
最後にネタばれになってしまうが、ペイシェンスはドラゴンが地球で産まれた存在ではないと感知して、あえて見逃すという選択を採っている。
命令に縛られず己の課した使命にのみ忠実というキャラ付けは一見硬質な感じに取られてしまうかもしれないが、ここに来て気持ちの良い藷譿ォをみせた。
それはキャラクターの成長であり、幅でもある。
アーティファクツ展開に絡んだリセットと共に、マグレーナ初のレギュラーシリーズはそれほど人気を得る事もなく終了してしまった。
キャラクター的にも話を紡ぎ難いキャラクターであったのだろう。
だがマグレーナ周辺のキャラを整理して、路線変更前の要素も換骨奪胎して取り上げ、エピソードもあえてパターンを踏襲する事でマグレーナペイシェンスの魅力を切り出したロンマーズの手腕は見事の一言。
さすがウィッチブレイドの設定を整備し、アーティファクツ展開に繋げた御仁だけはある。
今後、再びマグレーナペイシェンスの活躍があっても、かなり使い易くなっていると思う。
そして、マグレーナの新たな活躍が見れるのは、それほど遠くない事だろう。
その時を一人のファンとして、首を長くして待ちわびているのだ。
