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M式キーボード配列について

下図が”M式”というキーボードの配列です。
M式配列250
○”母音”は左側に配置され、左手が担当します。
 ・左側は”あいうえお”の母音のみ配置されています。
 ・母音自体も規則正しく配置されています。
○”子音”は右側に配置され、右手が担当します。
 ・子音自体も
   中段:”かさたなは”と左から順に五十音表順に子音が並び、
   上段:”まやらわぱ”と順序よく並んでいます。
○濁音は中段の各子音の下に対応する濁音が規則正しく並んでいます。
   か(K)=ば(G) さ(S)=ざ(Z) た(T)=だ(D) は(H)=ば(B)

五十音表に基づき、綺麗に規則正しく配置されているのが「M式」の最も優れた特徴であり利点です。
母音と子音を左右に分けたことと、規則正しく配置したことによる利点は

①一番目の利点は、覚えやすいということ
左手の担当を見てみます。
左右の手を置いておくホームポジションは今までと変更ないので、左手人差し指は”A(あ)”に置き、”IUE(いうえ)”に”中指、薬指、小指”とおきます。 人差し指は”A(あ)”と”O(お)”の二つを担当します。
ホームポジションに各指を置いた瞬間に”あいうえ”の文字に指を配置していますので、母音を打つ場合直ぐにタッチタイプが出来てしまいます。
”QWERTY配列”だと”い”はどの指で何処を打つの? ”え”はどこ? ”お”はどこ?などと悩む必要が全くありません。タッチタイプが初めての人でも手を置いた瞬間に母音の位置を把握できてしまいます。

右手の担当を見てみます。
右手は人差し指、中指、小指を”STNH(さたなは)”の順におきます。 人差し指は”S(さ)”と”K(か)”の二つを担当します。
ホームポジションに手を置いた瞬間に”さたなは”を直ぐに入力する位置が分かります。”か”は人差し指を少し左に開いて打つことになります。
そしてQWERTY配列でも特に覚えづらい濁音の位置がM式では直ぐに理解できる仕組みになっています。
子音のあるキーの下段にその濁音が配置されていますので、例えば”Z(ざ)”という濁音は”S(さ)”の下にあると覚えるだけで良いのです。半濁音も同様で、”H(は)”の濁音はその下に”B(ば)”があり、H(は)の上に”P(ぱ)”がありますので、子音を覚えた瞬間に濁音と半濁音が同時に覚えたと言うことになります。


②二番目の利点は、疲れにくいということ
エルゴフィット250
エルゴフィットキーボード (平成10年9月発売)
パソコンの周辺機器として発売されたM式専用のキーボード。専用と謳っているだけにエルゴノミクスに基づいた形状ですが、使用してみると意外に使いづらく途中で挫折しました。念のために言っておきますが、M式配列が使いづらいのではなくてキーボードの形状と文字キーの周りに配置された機能キーが使いづらかったのです。今では私のキーボードコレクションとして大事な飾り物になっています。

両手を左右交互に使うとリズミカルに入力出来て疲れにくい
タッチタイプをする上で「疲れにくい」入力の仕方とはどのような状態を言うのでしょうか。人間工学的には様々な観点があるのでしょうか、私自身としては「左右の手で交互に打つ」というのが最も疲れにくいと考えています。
両手8本(親指を除く)の指をバランス良く左右交互に使うとリズミカルに一定のスピードで楽に入力する事が出来ます。
片方の手に入力する文字が集中するととても疲れます。
日本語の大部分は「子音+母音」で成り立っています。M式ではこの特徴を生かして母音と子音を分けることによって左右交互に入力する仕組みを実現しています。

ものは試しです。「東京に行く(toukyouniyuku)」という文字を入力して見て下さい。

ローマ字入力では「toukyouniyuku」と入力すると「とうきょうにゆく」となります。
 (○は右手 ●は左手)

  • QWERT式では  「●○○○○○○○○○○○○」と左手で「T」を1回打ったら、後は全て右手のみで12回続けて入力することになります。右手が極端に多く、しかも上段のキーに集中しています!
クワ-ティtoukyou200
「toukyouniyuku」で使うのは母音はi,o,u子音はk,t,n,yの合計7文字。上図を見て分かるように左手で「T」と打ったら、後は全て右手で入力する事になります。
片方の手で続けて入力するのはとても疲れますし、しかもほとんどのキーが上段に配置されていますので、ホームポジションから指が離れる率も高くなります。.どの程度疲れるかは実際に試して見てご自身で体験して下さい。
  • M式では     「○●●○○●●○●○●○●」と右手を6回、左手を7回使います。両手をバランス良く使って、加えて”Y"キー以外は中段を使用していてホームポジションのままで手の移動が少ないのが分かります。

M式toukyou200

M式では”おう”という文字は母音”O(お)”下段にあり慣れるとこちらを使いますので、実際には「○●○●○●○●○●」と見事なほどに左右交互に入力ししかも右手、左手とも綺麗に5回づつでリズミカルに入力する事が出来ます。


M式キーボードについて
説明が遅くなりましたが、M式キーボードは日本電気の森田正典さんが開発したキーボードです。 森田さんはマイクロ波通信技術の専門家でしたが、60歳をすぎてから日本語入力の研究をされ1983年3月学会発表しその後このキーボードを開発されたとの事です。
富士通のかな入力方式の”親指シフト”の対抗してかは知れませんが、ローマ字入力としての日本電気の「M式」は、どちらも理にかなったとても良い配列でしたが、当時は専用のキーボードがないとパソコンで利用が難しかったことから、一部の愛好家のみに終わってしまっているのがとても残念です。
ただ両者とも配列をシュミレートするソフトが発売されており、どのパソコンでも利用することが出来るようになりましたので、試して見る価値は大いにあると思っています。