「住む場所」の選択 | Message

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自然から受け取ったメッセージを中心に発信していきます

引き続き「食」について。

 

万葉集の中の「食」を詠んだ歌はどれくらいあるんだろうか、といろいろ見ていて、

 

こんなのが目に留まりました。

 

 

沖方行き

 

辺に行き今や 妹がため

 

わが漁れる 藻臥束鮒

 

【高安王】

 

 

沖辺へ行ったり、浜辺を歩いたりして、

やっとあなたのために捕って来た、

藻の中に潜んでいる小さな鮒(フナ)です

 

 

川魚である鮒(ふな)も、日本では古くからのお馴染みの食材です。

 

文部省唱歌である「ふるさと」では、小鮒釣りしかの川、と歌われています。

 

川の中流から下流、,湖・池・用水路などに生息し、日本人の生活になじんでいました。

 

 

...この先人間の食生活が洗練されてくると、

 

穀物を中心とした植物性オンリーとなり、

 

「顔のあるもの」は食卓に登場しなくなるんじゃないか、と思っています。

 

 

ですが魚を食してきたという確かな事実が日本にはあります。

 

それは、やっぱり必要性があるからなわけで、

 

「鮒」に着目してみました。そして、

 

川魚であるということと、

 

その生態

 

に、興味がわきました。

 

 

鮒(フナ)はいわゆる「淡水魚」で、海に住むことはできません。

 

小川や用水路、湖などに住んでいる。

 

言い方を変えると、「陸地に入り込んだ魚」であると言えます。

 

 

生命は海から生まれて陸に上がっていきました。

 

人間を含む陸上生物は、空気の中に住めるようになりましたが、

 

川魚は、水の中に住みながら陸地に上がるという、

 

独特の進化をたどってきたのです。

 

 

いつの時代も、選択肢はひとつではないのですね。

 

 

 

・・・食に話を戻します。

 

古き良き時代、日本人の食生活は穀物と野菜が中心で、

 

ときどき手に入った旬の魚が食卓に乗る、という程度でした。

 

海の近くであれば、獲れたての魚が豊富にありましたが、

 

そうでない地域では、鮒のような淡水魚が食用の中心でした。

 

 

鮒は日本の内水面漁業の主要な魚で、

 

その漁獲量が最も多いのは、海のない埼玉県だということです。

 

 

古くからあるフナ料理は、あらい、雀焼き、甘露煮などです。

 

穀物の発酵を利用して作られる「鮒寿司」の歴史は古く、 

 

奈良時代には近江(現在の滋賀県周辺)から、

 

琵琶湖で採れた鮒でつくった鮒寿司が、

 

朝廷に特産物として献上されていたそうです。

 

 

・・・次回に続きます。