多摩川上流の草むらには、バッタがたくさんいました。
もっともよく見かけたのが、オンブバッタです。
姿かたちはショウリョウバッタにそっくりですが、大きさが違うので簡単に見分けがつきます。
オスが体長20-25mm、メスは40-42mmと、ショウリョウバッタの半分くらいです。
もう一つ特徴的なのは、小さなオスが大きなメスの上に乗った姿で目撃されることが多いことです。
まるで子供をおんぶしているように見えます・・・それで、オンブバッタという名がついたのですが、
背負っているのは子供ではなく、オスなのです。
交尾の後もずっとそのまま乗っているのだそうです。
ショウリョウバッタなど、他のバッタ類も交尾の時はメスの背中にオスが乗りますが、
その後も長い間この姿で過ごすのは、オンブバッタだけです。
なぜなのでしょうか?
オンブバッタは交尾を頻繁に行う都合上、メスを独占しておいたほうが便利です。
それで、一度契ったメスの背中にずっとしがみついているわけです。
時には他の雄がやってきて、メスの奪い合いになることもあるそうです・・・
人間の男女関係と比べると、オンブバッタの雄はずいぶんしつこいですね。
このメスの次はあのメス、というように
次々と相手を変えていった方が、さまざまな子孫を残すことにつながって
生命の進化に貢献できるんじゃないかと思うのですが・・・
私は去年、オンブバッタを飼育していて、気が付いたことがあります。
それは、彼らは卵を実にたくさん産むということです。
いろんなメスと契ってさまざまなタイプの子孫を残すことも重要かもしれませんが、
それよりも、できるだけたくさんの子孫を残すことが何よりも重要であると、
彼らの遺伝子に組み込まれている、
それで、一度契ったメスと何度も交尾して、
確実に子孫を残せるほうを、彼らは選んでいるのです。
自然界を見ていると、昆虫や微生物のような小さな生き物ほど、たくさん産卵することに驚かされます。
生物は進化が進むほど、少ない子孫で済むようになります。
それは、頭脳が発達してさまざまな生活の工夫をするようになり、
産み落とされた生命の生存率が高くなるとともに、
寿命も長くなるからです。
人間の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.26歳だそうですね。
「もっと長く生きられるようになる」
と、どこからか聞こえたような気がしました。
