インドサイです。多摩動物公園・サイ小屋の隣の池で、水浴びの真っ最中です。
サイは「動物園にいる生き物」として、知っていましたが、こうやって姿をじっくり見たことがありませんでした。
突き出た鼻の上の角、ロバのような耳、けだるそうな眼、
そして鎧のような堅い堅い皮膚を持っています。
ユーモラスではあるけれど可愛いさや美しさとは程遠い、野獣という呼び方が相応しい生き物です。
サイは地球上にかつてはたくさん存在していました。
約3,400万年前には240種類もいてたいへん繁栄していましたが、
地球の寒冷化などが原因で数が減り、
今の時代は、ジャワサイ・スマトラサイ・インドサイ・クロサイ・シロサイの5種類が生息しています。
日本には、日光の東照宮に、霊獣・犀(サイ)の木彫がありますが、
これはインドサイについての記述が外国から伝わったことにより生まれたものです。
サイの特徴として挙げられるのは固い皮膚ですが、
それ以外にも見逃せないことがあります。それは、鼻の先に一本の角を持つ一角獣(ユニコーン)だということです。
サイの角はケラチンの繊維質の集合体で、内部に骨はなく、何かの原因で失われても再び伸びてきます。
動物園で飼育しているため短くされていますが、野性のものだと60センチくらいの長さになるそうです。
現在のサイの祖先となったエラスモテリウムという、頭部に一本の長い角を持つ巨大な生き物が、
ユニコーン伝説の基となったといわれています。
ユニコーンと言えば、馬のような動物というイメージもあるし、海に住む巨大な魚だとも言われていますが、
実在している陸上動物として、エラスモテリウム(サイ)の説は有力のようです。
ユニコーン伝説は世界各国、さまざまに伝えられており、
「非常に獰猛だけれど、清らかな乙女の膝の上で眠る」と言われていたりしますね。
たくさんある言い伝えの中で、どれを取り上げようか迷うのですが、
動物の王、完全な「善獣」。生命ある動植物を踏みにじらぬように用心して歩く。
というのが気に入りました。
見かけは獰猛に見えますが、サイは草食動物で、草や果実、タケノコなどを食べるそうです。
堅い鎧のような皮膚は肉食獣を寄せ付けないためで、戦うためではありません。
サイの角には、漢方のような薬効や霊力があるといわれていて、人間界では高値が付きます。
そのため、密猟者による乱獲が行われていて、それが個体数を減少させる要因のひとつになっています。
鎧のような皮膚で覆われた巨大な体、何を考えているのかわからないけだるい眼、
そして神聖なる一本の角を持ったユニコーンは、人間たちの手で守らなければなりません。
