実家近くの緑道のムクゲです。
夏の定番のような花ですが、たくさんできているつぼみが、
梅雨明けを待たずに、開花が始まっていました。
ピンクの濃淡がとても華やかです。
梅雨のジメジメの中に現れた、清涼剤のようですね。
ムクゲはインドや中国が原産で、日本には平安時代初期には既に入ってきていました。
丈夫で根が横に広がらないため狭い範囲に植えることができるので、生け垣として重宝されます。
日本においては、夏の茶花として欠かせません。
特徴として、早朝に開いて夕方にはしぼんでしまう1日花であることが挙げられます。
わずか1日の花は、はかなさを感じさせますが、
そのかわり、つぼみがたくさんついていて続々と開花します。
夏の花・ムクゲは、夏が始まるのを待てずに花を開き始めて、
秋になってもまだまだ咲き続けています。
1日しかもたない花が次々とたくさん咲くので、花期がとても長いのです。
「白氏文集」(中国の唐時代の文学者・白居易の詩文集)の中の、
松樹千年終是朽 槿花一日自成栄
松の木は千年の齢を保つがいずれは朽ち、
ムクゲの花は一日の命・その生を大いに全うする
がよく知られています。
1日でしぼんでしまう花は、生け花の花材には向きませんが、
毎日生けかえることで新鮮さを保ち続ける、かえって風情を出すことができるのです。
独論なのですが、
ムクゲは全体がひとつの生命で、
一日しか咲かない花は「一瞬」を表しているように思います。
たくさんある花が続けて開花することで、
初夏から秋までの生を全うすることができているのではないかと。
花たちは、余計なことは考えていません。
ただ、「今、如何に美しく咲くか」だけに集中していれば、
初夏から秋遅くまで、長く美しく生き続けることができるのです。
