深い緑の葉は、近所のお宅に生えているお茶の木です。
背が低く刈り込まれた生け垣で、お庭から玄関にかけてぐるりと取り囲まれていました。
葉がビタミンC豊富で、新芽の部分がいわゆる緑茶などになります。
葉っぱばかりが有名で、木そのものについてはあまり知られていませんが、
常緑の高木で野性のものは10メートル近くになるそうです。
椿の仲間だそうです。秋に咲かせる花を見ると、なるほどと思いますね。
派手さはありませんが、一枝折って一輪挿しに挿して和室に置いておきたくなるようなさりげなさのある花です。
花のわりには大きめの果実がつくところも、椿によく似ています。
日本に自生しているものもあるそうですが、
茶の湯や八十八夜など、日本の文化と風習になじんでいるお茶の木は、
奈良時代や平安時代に薬用として中国から渡来したものだそうです。
中国からは薬として伝わったものが、日本で現在「茶道」と呼んでいる茶の湯となりました。
湯を沸かし、茶を点(た)てて振る舞う行為は、儀式と言うに相応しく、
時代とともに少しずつ形を変えて現在、さまざまな流派が存在します。
日本の伝統文化・茶道を私も以前やっていたことがありますが、
学んだことのひとつに、「物を大事にする、日々の手入れを欠かさない」というのがあります。
日本は伝統的に、道具の手入れを大切にする文化・思想があって、
和食のお店では板前さんが毎日包丁やまな板の手入れをする、店の前を掃除することが、
職人さんとしては当たり前のことで、日本人らしい勤勉さを感じさせる、好感度の高い行いです。
ですが海外でも国によってはあまりこういったことに重点を置かないのだそうで、
海外ドラマでたまに「皿を洗う」シーンが出てきても、「面倒な家事に追われているシーン」という扱いです。
・・・
「モノに心が宿る」ということを、日本人は古くから感じ取っていて、
それが「物を大切にする。日々の手入れを欠かさない」という心得となったのかもしれません。
日本の伝統文化の、重要な土台のひとつなのだと思います。

