多摩川上流・羽村堰の川岸は、雑草が伸び放題になっている。
チョウが盛んに飛んでいた。写真は分かりづらいが、真ん中付近にモンシロチョウが横向きに飛んでいる。
羽を開いて休憩中のシジミチョウもいた。
調べてもわからなかったが、羽の色からするとアカシジミの一種だと思う。
美しいチョウに出会ったところで、昆虫の飛び方に興味が湧いた。
羽を使っていることは同じでも、鳥の飛び方とはずいぶん違って見えるが、
どうやって飛んでいるのだろう。
調べたところによると、
鳥と羽を持った昆虫、どちらも自らの羽で揚力を発し、空中に浮かび上がることができるところは同じだ。
鳥は翼で空気をスライスすることで揚力を生み出すのにたいし、
昆虫は羽ばたきによって羽の下に上昇気流のようなものを作り出すことで、揚力を発生させているそうだ。
鳥が空気をスライスするためには勢いが必要であり、羽ばたきによって速度を出すことが重要なのである。
飛行速度が重要なので、低速飛行ができない。
一方、羽を持った昆虫は、羽ばたくことで加速するのは鳥と同じだが、
かなりの低速でも飛び続けることができる。
その原理についてはよくわかっていない部分が多いが、
羽ばたきによって自らの下に空気の渦を作り出して揚力を得ている、と考えられている。
そういえば、いつもヒラヒラと飛んでいるチョウは、羽ばたきながら一か所にとまっていたりもする。
ハチやカナブンなどもそうだ。空中に浮かびながら一か所にとどまり続けることができる。
・・・ホバリングは、昆虫の得意な飛行スタイルなのだ。
一般的に鳥はホバリングができない。できるのは世界最小の鳥と言われるハチドリだけだそうだ。
同じ昆虫でもチョウとハチでは、ホバリングの様子はずいぶん違うように見える。
ハチは羽を高速で動かしながら一か所にとどまっているが、
チョウは羽をヒラヒラさせながら一か所でユラユラと揺れ動いている。
昆虫の中で最も高性能な羽を持ち、飛行能力に優れているのはトンボだそうだが、
ハチのホバリングはどちらかというと、トンボに近いような気がする。
それに比べるとチョウの羽は大きくて美しいが不器用、早く動かせずユラユラ、ヒラヒラと空中を漂う。
ホバリングといっても上下左右に揺れ動いて何とか一か所にとどまっているという感じで、
何ともアナログ的で、まるで気分で飛行しているような危うさがある。
チョウの飛行は実に女性的でもある。
こうやって川辺で見ていると、派手な羽をヒラヒラさせながら花から花へ飛び回っていたかと思えば、気まぐれに目の前にやって来る。
まるで
きれいな羽でしょう? あたしを捕まえてごらんなさい、
とからかわれているようだ。
手でつかんで捕まえられるような気がしてやってみるが、どうしてもかわされてしまう。
大きめの虫取り網を振り回せば捕まえることができるはずだが、道具を使うのは反則だ。
だいたい「飛べる」という点において、我々人間は彼女たちにかなわない。
飛行機やヘリコプターで何とかやっている人間たちと違って、彼女は何もなくても自力で空中上昇することができる。
そんな飛び方で大丈夫?と世話を焼きたくなってしまうくらい不器用に、
美しく危なげに、小悪魔的なアナログ飛行をしながら、
いつのまにか遥か彼方に上昇している、
・・・そんな飛び方だってあるのだ。
ふ

