前回の続きです。
大地と水を浄化する力をもつ植物・葦(ヨシ)のことをもっともっと知りたくなってしまった私は、書籍やWEBで貪るように調べ、埋め立て地の朝の散策では、葦を探して歩くようになりました。
トラックのひっきりなしに通る道路沿いを歩いていると、脇の植え込みから2メートルを超える葦たちが声をかけてきます。
「私たちはここにいます」
と言っているのが、感じられました。
遊歩道は夏の終わりに雑草が刈り取られてきれいになっていましたが、よくよく見ると葦の新芽がたくさん出ていました。
葦は地下茎で増えます。
この小さな新芽たちは、全て地下でつながっている・・・
そう思った私は発作的にこの新芽を持って帰りたくなり、そばに生えているのを引っこ抜こうと試みました。
ですが力を込めて引いても、そう簡単には抜けませんでした。葦たちの地下茎は地面から15cm~2mのところに張り巡らされ、まるで大地の一部ででもあるように存在します。緑の葉が地上で光合成をして得た養分は地下茎に蓄えられ、新芽を出す機会を狙っているのです。
地面に張り付いているような葦の新芽をやっとのことでいくつか引き抜いて、持って帰ってきました。
地下茎そのものを引き抜くことはできませんでしたが、根付かせるにはこれくらいで十分だそうです。ベランダで育てて増やし、冬の終わりになったら近くの川沿いの湿地にでもこっそり植えてこようかと思います。
葦は、風が一方方向から当たる環境だと、反対側にだけ葉が付く性質があるそうです。(片葉の葦)
埋め立て地はいつも海側から風が吹くので、こんなふうに風にたなびいているように葉が付きます。この特徴的な姿で、他の植物と簡単に見分けがつきます。
持って帰ってきたその日の夜見た夢に、葦の新芽が出てきました。
風にたなびく立ち姿で、こんなことを言っていました。
わたしたちは、地上の生命の象徴として存在しています。太陽や水や、土の養分で生きているという点で、あなた方人間とたいして変わりません。大地や水を浄化する働きをもっているのは、生命の循環に属していることの現れです。
大地や水や空気を浄化する役割が、あなたたちにもあります。
わたしたちは地下に網目のような地下茎を張り巡らしてつながっていますが、実をいうと人間だってそうなのです。一人一人独立して歩き回ることができると思っているでしょうけれど、みえないところで全部つながっています。
私たちには、あなたたちの張り巡らしている網目がよく見えます。一人一人が必要なところに配置されているし、とても頑丈にしっかり繋がっています。これなら何があっても大丈夫なのではないですか。
・・・葦が語り終えた瞬間に、ぐるりと網目に取り囲まれた地球がフラッシュバックしました。
そして、目が覚めたら朝になっていました。
...次回に続きます。




