...前回の続きです。
週末に参加した糸紡ぎ講座では、日本古来の「大麻」の繊維を素材にしていました。これについては別ブログに詳しく書くつもりなのですが、こちらでは少し違った視点から記事にしてみようと思います。
大麻(たいま)というと、取締法などという、テレビや新聞のニュースでよく見聞きする言葉が浮かんできます。私は詳しいことはよく知りませんでしたが、
日本ではいいイメージとは言い難い、戦後にGHQによって制定された法律で栽培が著しく制限されている植物・大麻は、
日本に古くからある、とても大事な植物だったのです。特に神道と深いつながりがあるということを、私は見逃せません。
麻は清めの植物だそうです。お写真は神社でお祓いをするときに使われる祓え道具ですが、
これ、大麻(おおぬさ)と呼ばれます。現代では紙で作られているものを目にすることがほとんどですが、
名前からして、麻と関連が深いと想像する余地が十分すぎるほどあります。
水と塩で体を清めたあとで、麻で身体の内側の穢れを祓い落とすことで、身も心も魂も清らかになって神前に進み出ることができるのです。
また、これも神社でよく見かけるものですが、
和幣(にきて)と言います。御幣(ごへい)ともよばれるそうで、神への捧げものとして、竹や木の幣串(棒)に和紙を挟んだものが置かれます。
幣は貨幣の幣でもあります。お金やモノの代わりの捧げものを紙と木で作ったというわけです。
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話が変わりますが、私は最近、図書館から借りてきた古事記の解説本にはまっています。
その中の「天の岩屋戸明け」の章に、こんな記述があります。
八百万の神が天安之河原に集って天照大神を誘い出そうとしていたとき、
榊(さかき)の枝の一番上には八尺勾珠の5百津の御須麻流の球をかけ、中枝には八咫鏡(やたのかがみ)をかけ、
そして下の枝には白和幣(しろにきて:コウゾの繊維で織った白い布)と青和幣(あおにきて:麻糸で織った青い布)を垂らし、
神々が心を込めて、岩屋戸の前に供えた
・・・この後で、天宇受売(あめのうづめ)が舞台に上がってSexyに踊ると神々がどっと笑う。あまりにも楽しそうなのにつられて天照大神が岩屋戸を少し開けて覗く、
すると隙間から明るくてあたたかな日の光がさして来る。
すかさず神々は天照大神を引っ張り出し、しめ縄を張って戻れないようにしてしまう。
私は神々の人間臭さが感じられる、楽しそうな「天の岩屋戸明け」の部分が好きで、何回読んでも飽きないのですが、
コウゾで作った白和幣(しろにきて)や、麻で作った青和幣(あおにきて)、しめ縄など、神社でよく見かけるものが出てくるあたりも、大変に親しみを感じます。八百万の神は私たちと同じ人間で、今こうして生きている私たち自身もきっと、八百万の神の中の一人なのかもしれません。
そして榊の木は枝を、コウゾ(または梶の木)や麻も、神の一人として繊維を提供し、岩屋戸明けの小道具となってくれました。植物はどれも人間の仲間です。大切にしたいですね。

