昨日は東京ディズニーランドの
毎日が初演」という「信念」がすべてに徹底している
厳しいシステムだということを書きました。
今日はディズニーランドの運営理念についてです。
ディズニーランドではお客様のことを
カストマー(顧客)ではなくゲスト(賓客)と呼びます。
従業員はパートタイムやアルバイトも含め
キャストと呼ばれ、
ディズニー・ファミリーの一員として扱われます。
すなわち、
ディズニーランドは大切なお客様を
自分の家庭にお招きしている
というイメージなのです。
その理由は、ウォルト・ディズニーが
何故ディズニーランドを創ろうと考えたのか
という、原点に遡ります。
ディズニーランドができるまで、アメリカには
家族が一緒に楽しめる遊園地がありませんでした。
「子供は乗り物に乗せても、
親はベンチでピーナッツを食べながら
眺めているだけ。
家族一緒に楽しめる、施設をつくりたい。
これがウォルト・ディズニーが
ディズニーランドを創りたいと考えるに至った
原点でした。
ディズニーランドの「ミッション」は
「すべての人にハピネスを提供する」
(We Create Happiness)です。
「ミッション」とはその組織が目指す目標のことです。
「ディズニーランドは、何のために存在しているのか」
ということです。
ディズニーランドでは、この「ミッション」
がアルバイト、パートタイムの
一人ひとりにまで浸透しています。
どうやって従業員の9割、
しかも1万人以上もいるパート、アルバイト全員に
このミッションを浸透させることができるのか?
まず、上司、先輩アルバイトたちが
「ミッション」を完全に理解し、
機会あるごとに後輩たちに繰り返し
実際の仕事の現場で、状況に合わせて
かみくだいて伝えているのです。
当然のことながら導入研修にも、
さらにその後に行われるあらゆる研修にも、
「ミッション」と、「行動指針」(このあと説明)
が必ず盛り込まれています。
ディズニーランドでは
「ミッション」と「行動指針」は
従業員の毎日の仕事に組み込まれています。
あらゆる仕事の指導が
ミッションと行動指針に照らして行われるのです。
それではここで、行動指針について説明します。
ディズニーランドの行動指針」は優先度の高い順に
①安全:Safety
②礼儀正しさ:Courtesy
③ショウ:Show
④効率:Efficiency
となっています。
それぞれの頭文字をとって
「S」「C」「S」「E」と覚え込ませます。
最初の「S」安全:Safetyが最優先され、
どの行動をとるかはこの順番によって判断します。
①安全:Safety
東京ディズニーランドは1983年のオープン以来
来園者の数は5億人を超えているにもかかわらず、
大きな事故などは聞いたことがありません。
安全を最優先したメンテナンス、衛生管理などが
徹底しているのです。
加えて、園内には50床のベッドと医師、看護師が待機し、
さらには、浦安市の医師会にも加入しているなど
完璧を期しています。
②礼儀正しさ:Courtesy
2番目に大切な行動指針は
「礼儀正しさ:Courtesy」です。
行動規範としては、
①笑顔、
②挨拶、
③アイ・コンタクト(相手の目を見て応対すること)
をいつも心がけるように教えられます。
ディズニーランドのキャスト(従業員)は
「いらっしゃいませ」とは言いません。
「いらっしゃいませ」では会話にならないからです。
時間帯によって「おはようございます」、
「こんにちは」、
「こんばんは」を使い分けます。
これならゲスト(お客様)も挨拶を返してくれます。
そこから会話が始まり、コミュニケーションが生まれます。
コミュニケーションを通して
ゲストが何を望んでいるのか、
ゲストにどんなハピネスを提供できるかを考え、
それを実行することができます。
③ショウ:Show
3番目の行動指針は、「ショウ:Show」です。
ディズニーランドでは
ゲストの目に触れる全てが
舞台の上で行われるショーという設定です。
即ちディズニーランド全体が巨大な
「ステージ(舞台)」なのです。
ゲストの目に触れる全てがステージで演じられる
「ショウ」なのです。
従って、舞台の上の従業員は
キャスト(出演者)であり、
清掃などの仕事も全て「ショウ」(演技)なのです。
キャストの持っている掃除用の箒とちりとりも、
舞台用の小道具であり、
清掃も「掃除というショウ」を
ゲストに見せているのです。
箒の持ち方や使い方、
置き方までも、立てておくように決められており、
「かっこよく」、「しゃがむ」姿勢を取らずに
掃除をする方法も決められているのです。
キャストの着物はコスチュームであり、
ゲストを不快にしないよう、
常にディズニー・ルックとして
規定されているきれいで清潔な身だしなみを
整えていないといけません。
④効率:Efficiency
最後の行動指針は「効率:Efficiency」です。
「効率」よいオペレーションは、
売上増加につながります。
でも、ディズニーランドは
「効率」を優先しません。
お客様の安全が何よりも優先され、「
効率」は一番最後です。
ゲストの安全が最優先されるため、
ゲスト数6万人で
自動的に入場制限がかかります。
入場できないゲストの数は
毎年60~70万人にのぼると言われています。
それでもお客様は不平不満どころか
逆にファンとなり、
リピーターとなってまた戻って来るのです。
くり返しお金を生むディズニー・マジックです。