それでは東京ディズニーランドについて
もう少しその実態を見てみましょう。
東京ディズニーランドは
9割がアルバイトスタッフでその数は
優に1万人を超えるといわれています。
であるにもかかわらず、
ディズニー・フィロソフィーが末端まで浸透している
という驚きの組織です。
オープン当初は
「マニュアル化されたサービス」で
「安く使えるアルバイトが中心」
なので「3年も持てば良い方だ」
などと揶揄されましたが、
そんな風評もどこへやら、30年近く一人勝ちを続けています。
しかも、前述したように
2011年度は東日本大震災で被災し、
2ヶ月近く休園したにもかかわらず、
過去最高益を達成しました。
どうすればそんなことが可能になるのでしょうか?
そこには、核となる「理念」の明確化と
徹底した「従業員教育」そして「組織運営」があったのです。
詳しく見てみましょう。
東京ディズニーランドにはたくさんの「なぜ」があります。
なぜゴミが落ちていないの?
なぜ床は赤ちゃんがハイハイできるくらいきれいなの?
なぜ窓ガラスに一点の曇りもないの?
なぜトイレがピカピカなの?
なぜ芝生がいつも緑なの? なぜ・・なぜ・・なぜ・・・
こんな具合です。
その答は、創立以来連綿として受け継がれている
「毎日が初演」という
ウォルト・ディズニー由来の「信念」があるからです。
この「信念」により、
ディズニーランドという巨大な「舞台」も、
その「舞台」に出演する人(キャスト=従業員)も
毎日、初演日と同じ新鮮さを維持し続けているのです。
ディズニーランドで毎日閉園後、
夜を徹して行われる大掃除は半端じゃありません。
毎晩250人以上が総出で
22時30分から翌朝9時まで
10時間半かけて磨き上げ
床は「赤ちゃんがハイハイできるレベル」まで
徹底的に清潔にします。
キッチンは毎晩温水で床の油分を完全に除去します。
トイレは便器、床ともに毎晩滅菌洗剤で丸洗いし、
朝までに壁や床の水分を完全に乾燥させ、
鏡、水栓、ペーパーホルダなども
曇りがなくなるまで磨き上げます。
便器も頬ずりしても大丈夫なくらい真っ白に仕上げます。
店舗やレストランも、
床を磨くだけでなく
カーペットはすべて掃除機をかけ、
窓ガラスを磨き、
ドアノブの真鍮も毎朝指紋が残らないように磨きあげます。
ゴミ箱も毎日水洗いしています。
汚れているから掃除するのではなく、
汚れる前にきれいにするのです。
公共施設、会社、ご家庭などで行う
年に一度の大掃除並みのことを
毎日やっているのですから驚きです。
こうして、ディズニーランドは
毎日閉園後、徹夜で大掃除をして、
オープンした日の1983年4月15日に戻しているのです。
何故そこまでするの?
そんな疑問がわいてきます。
ここにも、ウォルト・ディズニー由来の
「ディズニーランドは非日常の空間」
という「こだわり」がありました。
わたしも最初
「食べ物の持ち込みは禁止」とか、
「自動販売機は設置しない」などと聞いて、
ディズニーランド内のレストランを
利用させるための処置だろうくらいに考えていました。
しかしよく調べてみると、
これらも「非日常というこだわり」とか
「人と人とのコミュニケーション重視」
など独特の哲学や価値観によるものだったのです。
毎日が初演という「信念」が徹底しています。
「毎日が初演」という「信念」は
当然のことながらお掃除に限りません。
パートもアルバイトも、従業員全員が
日々新たな緊張感を持って初々しく仕事に挑戦する。
これがお客様の感動につながるのです。
誰でも経験を重ねると変な自信がつき、
放漫になったり、お山の大将になる人も出てきます。
現状にあぐらをかくような仕事ぶりは、
お客様に感動を与えないどころか、
お客様が去っていってしまいます。
ディズニーランドでは、全てにおいて徹底しています。
雇用契約システムにもそれが反映されています。
例えば、
パートやアルバイトなどの準社員の契約期間は、
最長6ヶ月です。
それを超えれば、再チャレンジです。
問題があればもちろん再契約できません。
厳しいシステムです。(続く)