![あなたのアルバイトのとっておきの思い出は?](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
昔、大阪の天保山にあるお店でバイトしてました
海遊館も近く、観光客が多いエリアだけれど、
ある建物の最上階で 大阪湾が一望できるお店だった
夕方5時までは喫茶営業、それ以降はバーに変わるお店
高い天井まである窓ガラスの向こうに 船が行きかう海が広がっていて
夕日が海に沈んでゆく ほんの数分間、
フロアは静まりかえり
お客様はもちろん 従業員も皆、時が止まったようになる。
それ位綺麗だった
観葉植物が全テーブルの両サイドに置いてあり
海の手前にグリーンが沢山ある、不思議な雰囲気
建物自体も、有名な建築家が建てたものだからか
インテリアだけでなく
空間が洗礼されていたように感じて大好きだった
灰皿ひとつにしても凝っていて
小さいけれど オシャレな 石のようなツルンとした素材のもの
マナーの悪いお客さんがこっそり持って帰ることもあるくらい(窃盗ですよね^^;)
すごく高いものなのにと店長が嘆いていたなぁ
従業員の制服は白いYシャツに黒いベスト、下も黒で
当時高校卒業したばかりの私にはとても大人っぽく かっこいい自慢の制服だった
私が最年少で、みんな落ち着いた大人でキラキラしてた
バーテンダーは女性2人、男性2人
女性のバーテンダーがこれまたかっこよくて、2人とも美人で綺麗!
そして私より5つほど年上のイケメンがいて
私は5時までしか勤務しなかったのでいつもすれ違いだったけれど
たまに忙しくて延長するとドキドキしてた
厨房のコックさん達は職人がたきで
よくピリピリムードになっていたけれど
ホールの私には優しく接してくださった
ビーフシチューのソースがかかった、賄いのオムライスが最高に美味しかった!
海がすぐ傍だからたまに外国の海兵隊の人が来たりして
カタコトの英語であわあわしながら接客もした
社員さんもみんないい人で、今でも言われた言葉が沢山 心に残っている
サブマネージャーと個人面談の時、
私は経験も浅かったし テキパキ動く皆に比べて ダントツにトロかった
皆に迷惑かけてる事が心配だと話すと
当時まだ30代のサブマネは優しく笑って言ってくれました
「ここは忙しいお店だから 皆 素早く動いてるよね
でも、忙しいお店だからこそ、全員がバタバタするより、あなたがゆっくりでも、とても丁寧に接客してるのは
お店にとってプラスでもあるんだよ」
この言葉は私の人生を変えたと言っても過言ではないと思う
しばらくとても楽しく働いていたけれど
店長が店舗移動で変わってしまい、
店は激変
観葉植物は撤去され、すべてがコスト重視
味は二の次で安くすませろという店長にはむかう 誇りを持って働いていたコックさんは辞めてしまい
美味しかったメニューも変わっていった
当時、どちらかというと大人しく、ものおじするタイプだった私
店長が「俺に何か文句があるやつは辞めろ」と言われ
「私、辞めます!」ときっぱり言ってお店を辞めた
その後、みんな続々辞めていき
店長は結局すぐに移動になった
店長は去ったけれど、もう以前のお店には戻らなかった
お店の雰囲気も、人も
あのキラキラしてた時には戻れない
辞めて数年経っても、何回か たま~~~にお店にお茶を飲みにいきました
そしてちょっぴり残念で、寂しくなって帰るんだけど
あの眩しいくらい輝いていた所って、もう出会えないと思う
思い出は美化されるものではあるけれど
現実にあんなお店があったのが奇跡だったのかも と今になって思います
もし、過去に戻れるとしたら
あの時にもどって、あのメンバーと あの場所で もう一度働きたい