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star & flower

∞eighter∞





人の家やのにくつろいで飲んでると、また酔いがまわり始めた。

コイツには調子が狂う。


「何かあったやろ?」

「んーーーーーー」

「言いたくなかったら別に良いけど」






「彼女と、微妙やねん」

「そーなん」

「ふられるかもしれんねん…」

「何か言われたん?」

「何もない…ねん…けど…なんとなく…今までとちゃうねん…」

「雰囲気で?」

「雰囲気で」






「あんな…」

「うん?」

「1人ちゃうねん」

「何が?」

「付き合ってんのが」

「誰と?」

「彼女と」

「は?」

「俺が、浮気相手やねんて」

「はぁ!?」






つまり。

元々、彼氏がおる人と付き合ってる。
自分は2番目でもええと思ってたけど、段々苦しくなってきた。
分かっとっても、他の男の気配がするんは辛い。
ほんで最近、態度がよそよそしくなっとるし、会える回数も減ってきた。

てことやねん。

女々しいな。

って心ん中で突っ込んでんねやろな。


俺ってしゃーない奴。


いつも報われへん相手を好きになってまう。

(またか………)

辛い恋ならやめてまえばええのにって、自分でも思う。


ぐらぐら考える内に眠ってしまった。

体に毛布をかけてくれて、枕と水を置いてくれた。

ほんまは優しい奴やねん。






翌朝、物音で目覚めた。
朝食の準備をしているところへ、ぼんやりと動き出す。

「はよ」

「んー、食べる?」


何気ない朝の会話。

昨夜とは違う空気。


「仕事は?」

「午後から」

「シャワーする?」

「んー、一旦、帰るからええわ」

「そー」


何故か向かい合って摂る朝食。











早めに仕事を終わらせた金曜日。

先に飲み始めた俺は電話の音にも気付かへんかった。


ほぼ飲み潰れてぐったりしとったら、人が来た気配を感じた。

(水飲みたい…)

「何コレ?」

聞き慣れた冷たい声が頭上から降ってくる。

愛想のない奴。

空いたとこに腰を下ろして、何か飲んでるらしい。

俺がぐったり酔いを冷ましとる間にも仲間たちの話は弾み、時間を忘れて盛り上がる。

明日が休みっちゅう仲間は、それぞれ二次会、三次会に流れてった。





「もー、アカン」

「飲み過ぎだし(笑)」

「しゃーないやん」

「しゃーなくないやん」

「真似すんなや、下手くそやねん」

「うるっさいわ」

「なぁー、どっかで飲み直さへん?」

「どっかって?」

「その辺の店とかでええねんけど…」

「その辺て、タチ悪いなぁ~、アンタ見られたらマズイんやろ?」

「まぁー、せやねんけど… 俺の部屋………はアカンわ」

「なんで?
掃除してないんやろ?(笑)」

「ちゃうわ!
そんなんじゃないねん…」

「どんなんよ!
まぁ良いけど…」

「お前んち、アカンの?」

「はぁ!?
乙女の部屋に上がり込むつもりぃ?(笑)」

「んっは!(笑)
誰が乙女やねん!(笑)」

「うるっさいわ」

「なぁ、酒とつまみ買ってこうやぁ~」

「あー、ハイハイ」


コンビニで適当に買い物する。

重いカゴも袋も自分で持とうとするコイツの腕から、荷物をそっと抜き取る。

夜道を進む。







発信


「金曜の夜、どないすんの?」

「あー、仕事終わってからだと、微妙なんだけど…
土曜、仕事だし。
自分は?」

「俺は、行く」

「そっか、まぁ、仕事終わったらまた連絡入れる」

「おん、ほなまた…」

「うん…」


後になって考えてみれば確かに、アイツにわざわざ電話するなんか珍しいことやった。