(緊張する~)
「お、お邪魔しま~す」
「おん」
きょろきょろしてしまう。
「そこ、座り」
「あ、はい」
「何か飲む?」
「お水で…」
ソファーに腰掛けるけど、やっぱりどんな部屋なのかと見回してしまう。
「何してんねん(笑)」
「何もしてないです」
「落ち着けや(笑)自分、緊張しすぎやで(笑)」
「いえっ、そ、そんなことないです」
「待っとき」
「あ、はい…」
(あーん落ち着かない)
グラスに水を入れて戻ってきてくれた。
少し間を空けて座る。
「ん、ちょっとは落ち着けや」
「ありがとう、うん、あはっ」
(亀のぬいぐるみ…)
「あ、亀さん…」
くしゃっとした笑顔を見せる。
「俺の友達やねん」
「あ、ぬいぐるみがお友達、、お名前は、、」
「内緒」
そっと距離が縮めて、小声で続ける。
「もっと仲良くなったら、教えたる」
顔が熱くて、熱くて。
「ふっ、かわええな…」
顔を俯けたまま上げられない。
「うっ、、、見ない、でっ!!!!」
ニヤニヤした顔が離れてくれないままで言う。
「水、飲まへんの?」
「飲む!!!!…ます…」
顔を上げて少し離れる。
「警戒してんのか?」
「してないし!」
とか言いながらも更に少し離れてソファーの端に近付いた、のに。
「してへんねやな?」
また距離を縮めてくるから、まっすぐ見られなくてそっぽ向いてしまう。
「顔、見えへんやん」
「いや、見なくていいじゃん…」
「ふたりしか、いてへんねんで?」
「うん、だから?」
「こっち、見とけや」
「見たら目が変になるよ」
「もう、なってんねん…」
「ひっど!!!!」
そんなこと言うから、思わず振り向いてしまった。
ちゅっ
「んぅっ」
いきなりのことで混乱して、でも恥ずかしくてまた俯いてしまう。
「ふっ…」
笑いながら髪を撫でてくれた。
「何か見るか?」
「こ、紅白…」
「そ、それアカンやつやん!」
「いーじゃん早く!」
「しゃーないな…惚れ直しても知らんで?」
「うん、いーから早く」
強がってみるけど、前は見られない。
そんな私を分かってか、頭をぽんぽんと叩いて準備をしてくれた。
「あーやっぱり、いーなぁー大倉くんかっこいいー
ここの横山くんも好きー」
「……………」
「ここ!ここの丸ちゃん素敵やったー
安くんとか笑顔素敵過ぎる-!」
「……………」
わざとはしゃいでみせる。
「せやなぁ…ゆっくり見とき」
「ん?どしたの?具合悪い?」
分かってるけど、聞きたいんだもん。
「なんでもないで、トイレ行ってくるわ」
「ん-」
横目で追ってしまう。
「一緒にしたいん?」
「あほやん…
うわぁーこん時の亮ちゃんすごいかっこいいーーー!!!!」
画面に視線を戻すと、また頭をぽんぽんされた。
見透かされてる気がする。
(もっと何か、反応してよ…)
トイレから戻る音が聞こえて、また夢中で見てるふりをする。
「どないしてん?」
「何が?なんもないよ?」
真横に座られた。
「あん中で誰が好みなん?」
「大倉くん…」
「ふーん」
「かっこいいよね」
「俺は?」
「んー、まぁまぁじゃん?大倉くん、背高いし」
(ほんとは、違うもん)
必死になって欲しかったのに、真顔で返された。
「大倉んとこ、行くか?
お前がそう言うんやったら、ええで?」
「ふ、ふーん、そっか、行こっかな」
「いつまでそう言うてられるか、楽しみやな」
やっぱり、敵わない、悔しい。
(やだ!)
「帰る。」
堪らず立ち上がるけど、引き寄せられて抱き締められた。
「あかん」
「かーえーるー!!!!」
振り解こうと頑張ってみるけどやっぱり敵わない。
「行くなや」
だめ、涙が。
「うーーー」
細い両手で顔を包んで、涙を拭ってくれた。
額にキスされる。
「俺のこと、好きやろ?」
「………」
頬にキスされる。
「好きやろ?」
悔しいぃ。
「うーーー………すき…」
「俺もやで」
耳たぶにキスされて、
「耳はだめっ!」
飛び退いてしまった。
再度引き寄せられると、耳元で囁かれた。
「耳は、だめなんや?ん?」
両手で耳を隠してソファーに逃げる。
「だめ…」
「かわええな…」
そう言いながら近付いて隣に座り、またその細い両手で今度は耳を塞がれた。
目が逸らせない。
ゆっくり顔が近付いて、長い長いキスをされる。
「ちょ、、、」
何度も繰り返されるキスはどんどん深くなっていく。
「は…」
名前を呼ぼうとするけど、そんな隙はくれない。
「他の奴の名前、呼ぶなや?」
「よ…呼んでな…い…」
(苦しい、よ)
ようやく離れて、抱き寄せる。
「やらしい顔、なってんで?」
「………」
「どないしてん?」
「………」
「しゃーないなぁ、やめるか?」
視線を上げて、今度はこっちから触れるだけのキスをする。
「やめてもいいの?」
「やめへんて言うたら、どうすんねん」
「………」
どうするかなんて言えなくて、上目遣いで見上げる。
「ん?どないすんねん?どうして欲しいんや?」
「………やだ」
「ん?」
「…やめないでぇ」
恥ずかしすぎて、泣けてくる。
「ほな、あっち行こか」
ぎゅっと抱き締められ、その視線の先は寝室…。
「あ、あっち!?あっちは、まだ、、、」
(心の準備が…)
「どこならええの?ナニして欲しいねん?」
「あの、だから、その、、」
(は、初めてなのに…)
そんな気持ちを知ってか知らずか、そっとキスされた。
「今日は、これだけにしとくか?
俺は、足りひんけど」
そう言って立ち上がる裾を、つい引っ張ってしまった。
頬が熱くて俯いたまま顔が上げられない。
「んん?アカンねやったら、しいひんで?」
「…アカン……くない…」
俯く私の目線に合わせてきた。
「シたいん?」
「分かんない…は、は、初めて、、やもん
でも、、もっと…」
手を引かれ、抱き寄せられる。
「行くで」