自分が個人レッスンをレッスンを担当しているアメリカ人の女性が、こんな記事を送ってくれました。
太極拳を身体の強化のために利用しよう、と言う内容です。特に目新しいことは書いていないようなので、全文を日本語で紹介するのはやめておきます。
その代わり、太極拳の有用性を説明しているいくつかの論文に言及しているようなので、それをご紹介したいと思います。
一つ目です。太極拳が様々な医療上の問題を抱える人々にどのように役に立つかに関して書かれた507の論文をレビューした結果です。94.1％の論文が太極拳が健康に対して肯定的に働くと言う結論になっていたそうです。
507の論文のうち、192の研究は健康な人のみを対象にしていました。142が、健康増進、健康維持を目的としたもので、50の研究がより良いバランス感覚を持ち、転倒を避けることを目指していました。
11秒に一人のお年寄りが転倒によって緊急治療室で治療を受けているって、驚きの数字だと感じます。このうちの５人に1人が、骨折、脳震盪等の深刻な怪我に繋がっているそうです。米国で転倒防止が非常に重視されていることが頷けます。
二つ目は、この転倒を避けることを目指した研究の例です。
1時間の太極拳の運動を週に1度から3度、3ヶ月から半年行っていた人は、そうでない人たちに比べて転倒の可能性が４３％低く、転倒による怪我を負う可能性は半分だったそうです。
これは、太極拳が、下半身の強化、姿勢の矯正、柔軟性の向上などにつながることが理由として挙げられています。
三つ目は、太極拳をする人が、座りがちで運動しない人に比べて、骨粗鬆症や骨折になる可能性が大幅に低いと言うものです。１３２人の更年期を迎えた女性を対象に香港で１年にわたって行われた研究です。
四つ目は、関節炎が原因の膝の痛みに関する研究です。週に2度の太極拳は、痛みを取り除くための理学療法と同程度の効果があったそうです。
最後の研究は、太極拳は、身体だけではなく、精神状態の向上にも効果があると言うものです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4733099/
太極拳が中国に古くから伝わる単なるゆっくり動く体操ではなく、様々な健康上の利点を及ぼすものだと言うことは疑う必要はないと思います。これは、自分が太極拳を始めてから健康になったと言う実感から言えることです。
これから自分で教室を開くにあたり、他の人の研究に頼るのではなく、自分のところで太極拳を学んでどうだったのかの事例をもっと集めていきたいと思います。