「思い出すのさ舟唄を・・・」 八代亜紀さん逝去 | 俳茶居

俳茶居

       青柚子に思想のごとく棘がある (呑亀〉

「思い出すのさ舟唄を・・・」 八代亜紀さん逝去

 

2024年1月11日 天声人語

 昭和の歌姫のひとり八代亜紀さんが亡くなったと、1月10日に報じられた。昨年12月30日没、難病の療養中容態が急変したとのことである。享年73歳は同年代である。すぐある映画が思い浮かんだ。「駅 Station」(1981年公開)がそれだ。雪に閉ざされた北海道の小さな海辺の町、年末の閑散とした居酒屋で、八代亜紀の「舟唄」がテレビから流れる。八代亜紀さんの逝去を取り上げた天声人語(2024年1月11日付朝日新聞朝刊)の筆者は、私と思いを同じくしたのだろう。孤独なもの同士が出会い一つの唄で癒される。映画で演じるのは高倉健と賠償千恵子。主演の二人の演技、そしてこの唄(八代亜紀の身体もろとも)には、映画にかかわった人達の強い思いが込められている。日本がバブルへの賭場口にいた頃、冬の北の町の哀しい話である。合掌

挿入歌

舟唄 : 作詞 阿久悠 作曲 浜圭介

 

映画「駅 Station」

監督 : 降旗康男

脚本 : 倉本聰

音楽 : 宇崎竜童

俳優 : 高倉健 倍賞千恵子 田中邦衛 室田日出男 根津甚八 烏丸せつこ 永島敏行 

     古手川祐子 宇崎竜童 小松政夫 池辺良