東京人の密かな愉しみ その③ <栂尾 高山寺 日本最古のお茶園は万緑> | 俳茶居

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       義仲寺や秋立つ空に塚二つ (呑亀〉

東京人の密かな愉しみ その③ <栂尾 高山寺 日本最古のお茶園は万緑>

 

栂尾高山寺 金堂下の落ち椿(2018年5月1日)

 

 京都栂尾高山寺への参詣にレンタカーを利用した。バス便が通常だが、時間を大事に使うには止むを得ない。創建は奈良時代末宝亀元年(774年)、光仁天皇の勅願により「神願寺都賀尾坊」として開かれた。高山寺になったのは、明恵上人が後鳥羽院より鎌倉時代のはじめこの地を与えられ、「日出先照高山之寺(ひいでてまずこうさんをてらすのてら)」の勅額を賜った時からとある。一般には「鳥獣人物戯画絵巻」や、2017年秋開催「運慶展」(上野国立博物館平成館)にも出品された「子犬(湛慶作)」で有名な古刹。バス停栂ノ尾駅より裏参道を行くとその二つが拝観できる石水院に出る。ゴールデンウイークにも拘わらず、客は金閣寺とは違いまばらであった。

 

石水院への参道

 

お茶園 宇治茶は此処の茶木を使い始まった

 

石水院から少し上ると、明恵上人が栄西禅師から送られた茶種で栽培した茶園に着く。日本最古の茶園との石碑あり、宇治茶は此処の苗木を移植して始まったとの事である。お茶への先人たちの苦労を想い茶の木に手を合わせた。

金堂までの道は、秋の紅葉の情景を彷彿とさせるが、深緑のこの季節も良い。垣間見える空を除けば、地面も大方苔に覆われ、緑に包まれるの表現がぴったり。紅葉の名所で万緑を心行ゆくまで愉しむことが出来た。

 

金堂への参道にある灯篭 明り取りは満月と三日月