イタリア行きのテンションを高めるための映画。第3弾。
ホテルを探し直さないといけない事態になったので、
こんなのんきなこと言ってる場合じゃないんだけど。。
『イル・ポスティーノ』
ナポリあたりの小さな島が舞台なので、
今回予定している旅行とはちょっと無縁だ。
しかし、この映画は僕の中で非常に大切な作品で、
基本的に一度観た映画は何度も観ないという僕の習慣を打ち破って、
両手で数えるくらいリピートを重ねている映画である。
どこが良くてそんなに観ているのかというと、
まず、描かれる地中海海岸の風景が美しく、行ったこともないのにどこか懐かしい。
そして、作中で語られる詩の言葉が心地よい。
青年マリオと詩人パブロ・ネルーダ、
その2人の表情も自然で、ユーモラスで、なんか切ない。
舞台裏でいえば、マリオを演じた役者マッシモ・トロイージが病をおして撮影を行い、
撮影終了と同じくして命を落とした。
その、役者渾身の演技が見られる。
といろいろ書いてはみたものの、
パブロの言葉にある、「説明をすると陳腐になる」のとおりの映画だし、
作中の詩を心の中で読み解く時の様に、観るたびに違う余韻を与えてくれる映画だ。
そう、これは余韻の映画だと思う。
とにかく、その余韻を再度確かめたくなったので、
また観てみることにした。
やっぱりこれは…
よかった。
詩の力、
言葉の力を得て、何をすべきかが分かってくるマリオ。
島で一番美しいものは?と聞かれ、
つい、愛する女性の名を言ってしまった純粋さが、
やがてその答えを島に在る音に見つけていく時の変化は、
マリオが知性と情感を巧みに操れるように成長を遂げていく一歩だ。
とくに、妊娠した妻のおなかにマイクを当て、
その心音を集めようとするシーンはいつもながらぐっとくる。
そして思うのは、
マリオがパブロの詩に初めて触れたときに感じたように、
言葉の可能性はまだまだ想像以上にあって、
それがもっと人生を豊かにしてくれるんじゃないかと期待をもってしまう。
まあ、マリオはただ女性にモテたかっただけなんだけど。
じっさい、マリオが妻ベアトリーツェに贈った詩はとても素晴らしかった。
が、
いまどき詩とか贈っても、ふつう引くわな。