数年来の飲み友達A子。


イタリアに行く話が出はじめた頃、その話をしたら、


「いいな、わたしも行きたい。」という。



基本的にそういうノって来る言動が多い女子なので、


こっから不毛系会話だなと思いながらしばらく合わせる。


「ツレといくねん。それで良ければいっしょにいこか?」


うーんと考え込むA子。


「じゃあ、お姉ちゃん誘って行く。」


そんな、合コンじゃないんだから。


が、このお姉ちゃんは、携帯写真で見るに相当かわいい。


「いいね。じゃあお姉ちゃんおれと同室にしてね。」


「えー、なにそれ。」



これにて終了。



あとはまた、最近見た映画とかたわいも無い話に戻っていった。




それから数週間ほど経ち、定例飲みにて、


A子が開口一番こう言う。


「お姉ちゃんもイタリア行きたいって言ってるから、やっぱり一緒に行けない?」


あれ、本気だった?


どこまで本気か分からないが、こうなるとちょっと頭はたらかさないといけない。



まず、僕とA子はいいとして、後の2人は初対面で、10日も一緒の旅ってどうなんだろう。


お互い気を使いながらになったら、旅以外のところで余計な問題や疲労がでてくると思う。




仮にMとお姉ちゃんが、そこらへんを気にしないとしても、


僕とA子は同じ会社だ。


部署は違うとはいえ、一週間以上も同じような日に休みとってたら、


さすがにどこかで気付かれて、あいつらどうなんてんのってことになる可能性があるでしょ。


言い訳もなかなか通用しないレベルの状況に達すると思われる。


何かあって何かあると思われるより、何もないのに何かあると思われるのは最悪だ。





ということで、


僕らと、A姉妹は別の日程で行って、別行動。


長く滞在する予定のミラノ辺りで合流して、一緒にご飯とか食べれたらいいんじゃない。


以上をA子への提案とした。




しかしそれ以来、A子からイタリア旅行について何も言ってこないところをみると、


どうやらあきらめたようだ。


僕がイタリア旅行の話をするとちょっとむっとした顔をするような気がする。




そこに、昨日発覚した事実が直撃した。


Mは今、予定どおり休みが取れるかどうか、きわどい状況にいる。


Mがもしいけなくなったらどうする。


一人で行くか。


別の同行者を探すか。


たった1ヶ月後に、イタリアくんだりまで行ってくれる相手なんてそうそういないだろう。



そうなるとA子のことがちらりと頭をよぎるが…




ないな。


たとえA子の口癖が、


「えす君と一緒のベッドで寝てても何もない自信がある。」


だとしても。


それに、それは普通、オトコ側のせりふだろ。




Mが一緒に行けることを願う。