アスリートのセカンドキャリア

一昨日、アスリーツ・パフォーマンスに出勤するとあるスタッフから、「トルコ人のアスリートがトレーニングに来ているけど、お前が昔指導した選手じゃないのか？」と言われ、フロアで遠くからその選手を見てみるものの誰だかハッキリとは分からず近寄ってみると、なんとイルハン。

2002年の日韓ワールドカップを観ていた方ならこの名前に聞き覚えがあるでしょう。あのトルコ代表でプレーしていたイルハン・マンスズです。2002年のワールドカップで活躍し、一時はヴィッセル神戸にも在籍していたこともある彼は、その後ヨーロッパに戻るも度重なる怪我に悩まされ、最終的にはサッカー選手としての活動からは引退しました。

彼とは手術後のリハビリやトレーニングを一緒に行ったり、ヨーロッパに仕事で行った際には当時彼が住んでいたミュンヘンで食事をしたりと、交流が続いていました。そして数年前に彼からサッカーを辞めて、フィギュアスケートに転向した、との連絡がありました。なぜこれまたフィギュアスケートなのか、最初はさっぱり理解出来ませんでした。

良く話しを聞いてみると、トルコのテレビ番組で有名人とフィギュアスケート選手がペアを組み、数ヶ月間練習をして、番組内でお互いにそのパフォーマンスを競うという番組に出たのがきっかけとのこと。番組の企画ではあるものの、そこで優勝して本格的にのめり込んでいったそうです。

ここ数年スケートのトレーニングも本格的にやってきていて、今回はアリゾナのAP社に、そのパートナーの女性と一緒にトレーニングに来たわけです。目指すはソチでのオリンピックに出場すこと。サッカーのワールドカップに出場した選手が、他の種目でオリンピックに出るということが過去にあったのかどうかは分かりませんが、セカンドキャリアとして大きな目標に向かって進んでいる彼を応援したいと思います。