防浪堤は壊れても ~たろうの海から~ -4ページ目

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 今日はコンブの種付け

 

 30年近くコンブの種苗生産をやって来ましたけど、何の問題なく終わるなんてことは一度もありません

 ほんと繊細な生き物なので

 毎年必ず苦しむことになっている

 

 

 でも、今日のコンブは子嚢班(コンブが種を出す部分)の発達も十分

 コンブの母藻もいつもの倍ぐらい入れて

 余裕の採苗

 のはずが・・・・・

 

 全く種を出しません(汗)

 水温、比重、光、何度確認しても問題なし

 母藻の状態、数量とも十分すぎるぐらい

 なんで???

 

 訳がわからない

 

 長期戦を覚悟して一旦事務所に戻って事務仕事

 (こちらはこちらで補助事業関係の締め切りで火の車)

 

 事務所へ行く途中、海を回っていくと潮が引いてました

 

 もしかして・・・

 潮汐表を見ると今まさに最も潮が引く時間帯でした

 

 1ヶ月近くも陸上水槽に入れて管理してたんですけど

 コンブは海の干満のリズムをまだ持ってて、遊走子放出のタイミングは干満の影響を受けるのかもしれない

 

 

 突然ですがアワビはシケの時に放卵します

 海にいるアワビだけじゃなく

 ずっと陸上水槽で飼ってるアワビも、同じようにシケが来たときに抱卵します

 陸の上にいても何かでシケが解るんですね

 

 コンブが干満の影響で遊走子を放出するのだとすれば

 それはきっと満潮の時に遊走子を放出するんだよな

 

 なぜなら、満潮の時の方がより陸に近い場所まで遊走子を届けることができますからね

 コンブは干潮になれば海水がなくなるような場所にも多く生息してます

 っていうか

 ウニが多すぎて磯焼け状態になっている近年は、そういう場所にしかコンブがない場所が多い

 干潮になれば水が干上がるような場所に自分たちの子孫を送り届けるためには満潮のタイミングで放出する必要がある

 

 採苗中のコンブも満潮時間になったら種を大量放出するのかもしれない

 って思って

 満潮時間まで待ってみることにしました

 

 で、満潮時間↓

 遊走子大量放出!

 ちょっと濁ったぐらいですけど、遊走子は大量に出てます

 

 まあ、単純に時間経過の問題かも知れませんけどね(笑)

 

 私は研究者じゃないんで遊走子を確保できればOK

 結果オーライということで

 

 

 もしも、コンブが干満の差を判断してるとしたら

 どこでどうやって判断してるんでしょ?

 DNAに刻み込まれてるんですかね