願わくば | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 津波の特集をした昨日のNHKスペシャル

 なにかこう、スッキリしないものを感じまして

 

 主旨は

 ①地震の震度はそれほど大きくなくても、大津波がやって来る可能性がある

 ②津波防潮堤は波が超えるまでは効果を発揮するが、超えると被害を助長してしまう可能性がある

 ③防潮堤を過信することなく、避難しなさい

 というものだったと思います

 

 それが途中で曖昧になってうやむやになって

 結局何が言いたいの?

 って残念な感じがしました

 

 そこには大人の事情が働いてたのかなあと

 

 

 注!以下は私の勝手な想像ですので、物語としてお読み下さい

 

 プロデユーサーのAは津波が防潮堤を乗り越えると、破壊力が何倍にも増加するという研究結果を耳にした

 

 近い将来、ほぼ確実に起きるであろう南海トラフを原因とした津波

 その被害をできるだけ小さいものにするために、防潮堤を越えた津波の威力がどのようなものか、映像で視聴者に解りやすく伝えようと考え、映像、証言、科学的データを集めた番組の作成を目指してデータ収集に取りかかった

 

 番組のストーリーはこうだ 

 地震の震度はそれほど大きくなくても、大津波がやって来る可能性がある

 津波防潮堤は波が超えるまでは効果を発揮するが、超えると被害を助長してしまう可能性がある

 防潮堤を過信することなく、避難しなさい

 

 映像や証言を踏まえて番組を製作し、放送の承認を得るため上司に映像を見せた

 

 「津波防潮堤を越えた津波が威力を増すという部分は削るか内容変更しろ」

 「それじゃあ、番組の主旨が伝わりません」

 「防潮堤を越えた津波が威力を増すなんてことになったら、なぜ高いお金をかけて防潮堤を造ったのかってことになるだろう」

 「そうかも知れませんが、実際に破壊力は増すんです。建物が一瞬で壊れるんですよ、それの事実を視聴者に伝えるのが報道に携わる者の務めじゃないんですか?」

 「それはそうかも知れないが、このまま放送したら政府への批判ともとられかねないだろうが、解らないのか」

 「解ります。解りますけど、最も優先されるべきは人命じゃないですか、人命を守るために危険性は伝えなきゃならないでしょう」

 「お前、全国の津波防潮堤建設に何億円の税金が投入されていると思うんだ。それが弊害を生むとなったらどれだけの影響が出ると思うんだ。」

 

 で、防潮堤を超えた津波が威力を増す可能性がある

 という大学の一研究者の証言と実験映像とを入れ

 

 あくまでも

 研究者の中にはこのような説を唱えてる人もいます

 その意見をご紹介します

 というスタンスにして

 あとは津波の体験談なんかを入れて全体をぼやかした

 

 っていうような事だったんじゃないかと勝手に想像しとります

 

 

 

 重茂の方が撮った映像は初めて見ましたし

 田老の映像も初めてのものもあれば、田老に来た方だけに限定で公開してるものもありました

 

 今の時代ですから、報道機関に売るとか、ネット上で公開するなどすれば、どの映像もお金になったはずです

 でも、これまで見たことがないということは、誰もお金にせずとっておいたということ

 

 それを今になって公開したということは

 これから津波が来るかも知れない地域の方が一人でも多く生きてくれるように

 という思いだったんじゃないでしょうか

 津波の危険性を沿岸に住む人達へ伝えたいというプロデユーサーの強い思いを感じたからじゃないんでしょうか

 

 そういう想いが、果たして視聴者に伝わったのかどうか・・・・

 

 それぞれに立場があって、事情があって

 色んなしがらみでがんじがらめの状態であることは容易に想像できますけど

 これから津波が来るかも知れない海岸沿いにお住まいの方々のため

 願わくば、もう一歩踏み込んで欲しかったというのが私の感想です

 

 

 

 家がね、ドミノ倒しのドミノのように倒れていくんです

 パタパタパタって

 特撮映画だってもっと倒れにくそうにするだろって感じるぐらい恐ろしいスピードでした

 

 私は目の前で見たので

 それを伝える義務があると思うので