この辺(ってどの辺までかよく解りませんけど)では年越しに子持ちのナメタ(標準和名:ババガレイ)を食べる習慣があります
昔は年末頃にたくさん漁獲されていたみたいで、年越し頃にたくさん獲れるから
年越し=ナメタ
みたいになったんじゃないかと勝手に思っています
たくさん獲れていた頃は、リーズナブルな魚だったんでしょうけど、最近は数も激減して年末には超高級魚に変貌します
他の地域だったり、他の季節ならそんな驚くような値段にはならないはずなんですけど
このナメタを狙って、山を越え、崖を超えてやってくる釣り人がけっこういまして
船で航行していると
「こんなとこどうやって来たの?」
っていうようなものすごい断崖のてっぺんに釣り人がいて驚きます
とりあえず安全第一でお願いしたいものです
このナメタ、産卵期になると岸寄りの超浅場に姿を現すので目と腕がいい人はあわびを採る傍ら、このカレイを獲ります
でも、浅場とはいえ、カンペキに周囲に擬態しているので、まあ発見できません
以前、知り合いの漁業者に
「どうやってナメタをみつけんのすか?」
って聞いたら
「目をさがすのさ。目はキョロキョロうごいでっから」
だって
いくら浅場といったって、海で魚の目を探すなんて、私にゃあとうてい無理な話です
沖の海底に独立峰のようにそびえてる根の周辺によくいるそうで
「こんな沖で何やってんだろ?」
って思うと、ナメタ獲りだったり
この漁業者は、今まさにナメタをゲットしたところです
で、不承私、これまで一度もナメタを発見したことがありません
ところが、先日のあわびの口開けであわびを採っておりましたら
「〇×▲ー△××!」
意味不明な声を上げながら私の船の方へ接近して来る船が
「なにした?」
「ナメタがいで、引っかけだのに逃げられて追っかけてだのす」
「あーそう、ガンバレ」(笑)
って海底に視線を移すと、そこにはなんとナメタがひらひら泳いでいるではあーりませんか
しかも私の方に向かって
(おおー!悪いけど、いただきだなコレ)
ナメタの進行方向にあわびのカギを下ろして待つと、予想どおりの進路でナメタがやって来ます
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
予想通りカギの上を通過
もう外しようがありません
フフッ
顔がにやけます
無人のゴールにシュートするようなもんです
(経緯はどうあれナメタをあわびカギで獲っちゃったら名手の仲間入りだねオレ)
オリャ
気合い一発
全力で竹を引き揚げ、ガツンと重々しい重量感が伝わる
はず
が
(@ ̄Д ̄@;)
スカッ
ありゃ?
タイミングもスピードもバッチリ
だったはず???
何で?
なんでぇ?
うーん、名手への道は遠いようで
「お前よお、20m以上のフリーキックを決められんのに、なんで無人のゴールでシュート外すんだあ?」
サッカーの監督にどやされた苦い思い出が蘇ります
「シュートを入れたらどんなパフォーマンスしようとか、新聞に出るなとか考えてんじゃねえべなあ、ああっ!」(怒!)
図星・・・・
さすが監督。よく解っていらっしゃる・・・・