今週の手術では開腹後の術野確保について一から再度教わりました。

なんだか後期研修医に戻ったような気分でしたが、、

ポイントについてまとめました。

 

1. 腸管の授動

開腹鉤をかける前にまずしっかりとS状結腸及び回盲部をしっかりと授動しています。

こうすることで腸管をしっかりと頭側へ挙上することができ、広い術野を確保することができます。

中途半端に授動するのではなく、Gerotaからも剥離し、しっかり授動します。

少し時間を要しますが、後になって腸が下がってくるなどもなく、ガーゼの入れ替えや鉤の掛け替えも要さないため結果的には時間は早くなると思います。急がば回れです。

 

2. ガーゼでの腸管の包み方

腸管をガーゼで包みますが、図に示すように腹側からと背側からと、腸管全体を包み込むようにするのがポイントです。

 

 

3. 開腹鉤のかけ方

開腹鉤にオムニトラクトを使用しています。

 

Omni-Tract®リトラクターシステム

https://www.integralife.jp/Omni-tract
より引用。

 

尾側にはメイヨーの小、頭側にはメイヨーの大を使用しています。

牽引方向が大切で図に示すように2時、4時、8時、10時の方向へ牽引し可能な限り術野が広く・浅くなるようにします。

オムニケリーはできるだけ頭側へ牽引し皮膚切開を最大限活かせるように心がけます。

 

 

 

3つポイントを概説しました。

これらに気をつけて行うだけでかなり術野が良好となります。