HE4(ヒト精巣上体蛋白4 :human epididymis protein 4)は2017 年に卵巣悪性腫瘍の診断マーカーとして保険収載され、2022年には経過観察でも保険適応となりました。

概要について調べてみました。

 

  • 卵巣癌においてはCA125 が最もよく使用されている腫瘍マーカーです。
  • しかしCA125は子宮内膜症等の良性疾患、月経などでも値の上昇が認められ卵巣腫瘍の悪性と良性の鑑別において十分な特異性を有するとは言えません。
  • HE4は卵巣癌患者の血清中に高濃度で検出され、婦人科良性疾患で上昇することが少なく、特異性の高い腫瘍マーカーです。
  • また、CA125 と HE4 から算出される卵巣悪性腫瘍推定値(Risk of Ovarian Malignancy Algorithm:ROMA)を用いることで卵巣腫瘍の良性と悪性の鑑別の診断性能の向上が期待されます。

 

 

参考文献

臨床検査 64巻 5号 pp. 614-619(2020年05月)

Uno M, et al. Obstet Gynecol Sci. 2023;66:290-299