デザインプロセス | ms89factory「金属魂」

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Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.
デザインとは、単にどのように見えるか、どのように感じるかということではない。どう機能するかだ。

‐ スティーブ・ジョブズ

デザインを支える「思考」は、目に見えない部分であるけれども、形として表されたデザインと同様に重要なものです。デザイニングという仕事は、思考を目に見える形に練り直す作業そのものといえます。(中略)考え、そして表す。形にする以前の思考の密度が高ければ高いほど、デザインの密度も高くなる、ということでしょう。

– ソール・バス 『Saul Bass: A Life in Film and Design』 343ページより一部引用

デザインというと大袈裟ですが、要するに自分が納得できるまで、やり直しをすれば良いかな?と、思っています。
人間の感覚は侮れなくて、少し歪んでいるとか、アシメだとかの気持ち悪いセンサーは以外と正確なんですよね~
そのデザインをイメージに近づけるには極力妥協しないことですよね。これでエエか!と、見切り発車するとキャスト(鋳造)からかえってくると、やっぱり後悔するんです。
で、今回のアイアンクロスに遡るんですが、まず
こんな感じでラフスケッチを描きます。⬇


とにかくラフですえー


で、イメージ等々考えていきます。⬇



で、一度CADに起こします。⬇






それから、バチカンの金具の曲線や形状を整えていきます。⬇



ここで、気になったのが側面です。本来なら側面の角は尖る予定でしたが、カンをつける幅がいるため平らな部分が出来てきます。⬇



もちろん無理矢理つけることは可能ですが後付け感は否めません。なので、足の部分はギリギリにしておいて、上でボリュームをつけました。それだけでは不恰好なのでカンの形状も修正し円弧内側にフィレットをいれ、外側はなだらかにしました。⬇




カン自体がかなり大きいのでこれ以上薄くすると不格好になるので頃合いで止めました。
そうしていくうちに今度はカンからクロスの頂点までの角度、出っ張り具合が気になり修正しました。⬇




そうなると全体の厚みが上がってきます。

この厚みから

⬇この厚みですね

こうして見ると本当に微妙なんですが、やはり気になるのです。
そして、厚みが8mmから8,5mmになったので入り込んだ鎚目の面の位置がおかしくなるので少し手前に押し出しました。

そうこうしていくうちに、しっくりしたのでデザインはようやく落ち着きましたが、デザインを詰めていくと関連する所に必ず不具合が生じるのでネガを潰していかなければなません。
この地道な作業の繰り返しなのですが、どこかで止める勇気も必用です。
例えばリボンの大きさを思案したのですが、後々ロウ付けの事を考えると細かい位置やリボンの巻きの幅等、またまた悩むわけです。⬇


これでは巻きが乏しいので‥‥

↑これくらいのボリュームに落ち着きました!

で、アールのつけ具合を模索しています。

色々な過程を経てクオリティを上げていくと裏腹にオーバークオリティになります。結果、デザインの歪みが出てくるので止め時、大事です。
今回はなんとか上手く落とし込めました!
このワックス段階でこんな感じです。⬇



キャストすると‥‥


こうなりました!

こんなに考えてもお客様にとのフィーリングが合うかどうかは奇跡に近いですよね!
でも、少しずつお客様にも、お声を頂き気に入って頂けている現状に感謝しております。今後とも宜しくお願い致します。