OVER THE ICE・・・ | Avantgarde style

OVER THE ICE・・・

14日に氷砕艦しらせが晴海埠頭から南極に向けて出港。
そもそも南極とは
南極を中心に南緯66度33分までの地域を南極圏と呼ぶ。
1961年6月に発効した南極条約により、南緯60度以南の領有権主張は凍結されており、
軍事利用、核実験なども禁止されている。(ウィキペディアより引用)
この平和的条約に、今では数多くの国が締約に参加している。
ある意味、人類にとっての平和的財産ではないだろうか。
そしてこの財産の恩恵を受ける時がしらせの出港とともにに知らされた。
まさに朗報、いや吉報、どちらでもよいが、氷点から目覚める喜びである。
その知らせは、とあるバーからで、内容はこうあった。
『当店秘密のルートにて南極の氷入手!!』
驚きである、話に聞くのが、関の山に値する様な代物
何故!?僕らが住むこんな田舎に?
考えてもしょうがない、今思うべき事は
その氷でウイスキーを飲みたい、ただそれだけだった。
僕らの仕事柄、酒は無論大好きである。
この仕事をしていなくても、酒好きは大勢いる、
この氷で酒が飲めるなんて、ファンとして最高に贅沢である。
そして、先日ついにこの劇的喜びにふれる事が出来た。
なにせ南極の氷、失礼がないよう、ここ最近飲んでいなかったウイスキーを
解禁になるその日までに下準備として口慣らしまでして
しかも泥酔を防ぐため、きっちりと食事をとりむかえた。
席に着くなり早々にマスターに氷の有無を確かめると
『ございますよ』
と伝えられ即座にオーダーを述べた
『タリスカーをロックで・・・』
しばらくすると、マスターの手に抱かれた氷塊が現れた
グラスにその身が委ねられるよう、氷は少し削られ、マスターの手から離れ
落ち着くべきところへ委ねられた。
表面についた霜を落とすためと、グラスを冷やすために差し込まれた水に
長い目覚めからさめる様に、南極の氷がピシピシと激しく音を立て息を吹き返した。
グラスに注がれた水を流し、いよいよ満たされる琥珀色の情熱
その情熱が氷を取り巻くと、この瞬間を待っていたかの様に氷が融解し
何千年、何万年ともわからぬ間、圧縮された様に閉じ込められた古代の空気が
幾度となく弾け飛び、ささやきはじめる。
そしてこの琥珀色の情熱と見事に、マリアージュされたそれを口に含め
確かめる様にこの出逢いを祝福し、こうして夜は更けて行ったのでした。

今思えば、タリスカーの海に顔をだす氷塊はまるで氷山のようで
グラスに描かれた世界は『OVER THE ICE・・・』であり
南の果てに浮かぶ、まさしく南極のようであった。


タリスカー 10年

¥5,300