14冊目:向日葵の咲かない夏 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

向日葵の咲かない夏

道尾秀介

2024/03/25




★ひとことまとめ★

終始感じる違和感

 

 

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】 

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

 

 

 

【感想】

「いけない」を読んだので、他の道尾さんの作品を読んでみようと思い読みましたヒマワリ

 

信頼できない語り手ですよね。誰も彼も。


少し読んだだけで主人公のミチオが何かを抱えていることはなんとなくわかるし、妹のミカは絶対人間じゃないこともわかるし、泰造も何か隠している様子だし。

”なんとなくおかしい”が徐々に明らかになり、結末にむけてまとまっていくのは「いけない」に近いものを感じました。

 

ミチオは極端だけれど、子供はあまりに強いストレスや罪の意識があると、イマジナリーフレンドを作り出してしまうみたいですよね。

自分の罪の気持ちがミカを作り出し、蜘蛛のS君を作り出した。トコお婆さんが猫だったのにはまんまと騙されました。


ミチオの周囲も闇深い人間ばかりです…。担任の岩村先生は小児性愛者だし、母親はネグレクトでゴミ屋敷だし、父親は事勿れ主義の空気だし、近所のおじいさん(泰造)は小さな頃のトラウマ?に囚われて遺体の足を折り続けるし…。。

そして、出てくる刑事の竹梨は、あの竹梨じゃあるまいな…?

 個人的には岩村が一番無理です。


 

終盤のミチオは、コナン君か!?ってくらい饒舌です…。

自分の罪の意識に向き合って正しい道を行くのかと思いきや、えっ、そんな究極の選択…。

人を殺すのも手練れています。。

 

最終的には行き着くところまでいってしまって、殺した泰造も出てくるし、全てを終わらせようと火を放ちますが、両親に助けられて結局ミチオは死ねず。

2階から飛び降りて(放り投げられて)ミチオが生き残ったなら、両親も飛び降りればなんとかなったんじゃないかなと思ったけれど、両親も両親でもうこんな毎日を終わらせたかったのかもしれないな〜。

 

もし上の子の嘘やいたずらが原因で、お腹の子と子宮を失うことになったら自分は許せるだろうか。

ミチオの母親の行為は許されるものではないけれど、確実に子供への接し方は変わるよね。

口には出さなくても、あんたのせいで…って気持ちは持ち続けるかもしれない。

いくら悪意のない行動だったとしても、一生許せないかもしれないなあ。

 

最後の最後なんて、もうね…。死んでしまった両親の生まれ変わり(ミチオが作り出した)の言ってることがミチオにとって耳障りのいいものばかりで。。。言われたかった言葉を自分で紡いでいるのかな〜…。

 


読み終わったあとに冒頭部分を読み返すと、あ~なるほどね。となります。

自分の創り出した狂った世界からは抜け出せたけれど、まだ危うそうですよね。


救われない(誰が?)話だった…