失踪.com 東京ロンダリング
原田ひ香
2023/05/17
★ひとことまとめ★
ロンダリングを潰そうとする勢力に立ち向かう![]()
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
「またロンダリングをやってくれないか」
事故物件をロンダリングする人達、それに関わる者が次々と相場不動産を去っていく背景に、妨害工作の動きを察知した調査役の仙道はある事実を突き止める。市井の不動産屋のために巨大勢力と戦おうと立ち上がった仙道だが――。
前作『東京ロンダリング』で注目を浴びた作者が、5年の時を経て新たに大都市・東京の鬼門を突く!
事故物件を単なる恐ろしいものとしてではなく、現実的な事情も含めて丁寧に描いている――大島てる(事故物件公示サイト運営)
【感想】
先日読んだ「東京ロンダリング」のスピンオフ?続編?の立ち位置の作品です
ただ、作者の原田さんはあとがきで以下のように書いています。
・題名にも「東京ロンダリング」を関していますが、物語としては、まったく新しいものとして書きました。
・むしろ、今作が第一作で、前作はゼロ地点の物語のように感じています。
時系列は「東京ロンダリング」→「失踪.com」の順でした![]()
内容紹介を読むと、相場不動産のロンダリングを妨害するライバルがおり、それを突き止め戦う…というお話だと書いてあるのですが、それは終盤になってくるとわかってくる内容であって、初めのお話から普通に読んでいると気がつきません![]()
普通に読むと、訳あって普通の物件に住むことができない登場人物たちが相場不動産でロンダリングを紹介され、ロンダリングするorしようとするお話となってます。
ただ全てのお話で共通するのが、どの登場人物も最終的にロンダリングをしなくなるということです。
どの登場人物も人生が割と好転した結果ロンダリングをしなくなるため、良い話だな〜と思いながら読んでいました![]()
「あれ?この人物ってほかの話でも出てきたような…?」と気づいたのは結構後の方でした![]()
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知人と共に失踪者の調査を行う会社「(株)失踪ドットコム」を営む仙道は、失踪者がロンダリングをしていたことを知り、ロンダリングを紹介した相場不動産を訪ねる。
社長の相場と話しているうちに、近頃はロンダリングの担い手がいないこと、いてもすぐに辞めてしまうこと、そして従業員のまあちゃんも相場不動産から離れてしまったことを知る。
仙道はロンダリングをやめることになった者達やまあちゃんから話を聞いていくうちに、彼らが相場不動産から離れていったのは偶然ではなく、共通の”ある組織”が絡んでいる可能性にたどり着く-。
前作に出てきたりさ子も登場するのですが、もうあの頃のような人に流される彼女ではなく、自分の意志をしっかりと持って行動していてよかったです![]()
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りさ子からメラメラとした闘志を感じました![]()
終盤は結構(私にとっては)難しいお話になってくるのですが、自分達の業界に有利になるように働きがけをするようなことって、実際によくある話なんだろうな〜と思います。癒着って言うんですかね??
なんでこんな条例・法律ができたんだ?ってこともあると思いますが、その条例・法律によってうまみのある業界や団体がきっとあるんだろうな〜と![]()
続編やスピンオフ作品を読むと、登場人物たちのその後がわかって良いですね〜。
物語の中だけの、実在しない人物達だけれど、幸せに暮らしていたりするのを知ると嬉しくなります![]()
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