84冊目:オトーさんという男
益田ミリ
2021/12/12
85冊目:ほしいものはなんですか?
益田ミリ
2021/12/12
【感想】
益田ミリさんを読みたい気分だったので読みました
1冊目は、益田さんが自身のオトーさん(お父さん)について書いている本です。
マンガとエッセイが交互に書かれています
まえがきの、
「オトーさんは、わかりやすくて、わかりにくい。
身近なはずなのに、とてつもなく離れている気もする。」(P4)
これは本当に共感です。お父さんととっても仲良しの方もいるかもしれませんが、多くの方は共感できるんじゃないでしょうか
あ~わかるわかる、という部分を書き記しておきます__
・「野菜買わんでええから、食費もだいぶ浮いてるはすや」と自分の業績をたたえてしまうため、周囲の人間(母とわたし)の褒める気をどんどん失わせてしまうのだった…‥‥。(P15)
→私の父の場合は”料理”ですが、あるあるです
調理師免許を持っており、料理もよく作ってくれて美味しいのですが、「うまいか?うまいだろ」をいつも連呼してきます。
確かにおいしいのですが、連呼されると褒める気が失われていくのはなんでなんでしょうね…
宿題をやりなさいと言われると、やる気が失せていくようなそんな感じ(例え、あっているのか?)
・それにしても、短気な父が、なぜ気長に待たねばならない釣りを好むのか不思議である。「短気な奴に、釣りは向いてるんや」などと、父は自分でよく言っているけど、そういうものなんですかね?(P44-45)
→私の父も混んでいる飲食店などイライラして並べないし、携帯電話のキャリアのショップも混んでいるとイライラし出すし、だいぶ短気です。
でも、同じように釣りがとても好きなんです
若いころから船に乗って釣りに出かけ、今でも休みの日は堤防で釣りをして、家ではいつも釣りの番組を見ています。
釣りは釣りで魚がかかるまでのんびり待たなければいけない気がするんですが、それは待てるんですね
・オトーさんの「寿司」はズバリ「回転」です 回転寿司のシステムが好きみたいです 店に入ってすぐに食べられる、というのが、短気なオトーさんにぴったり
→わかるわァ…回転寿司いって食べたいものをすぐ食べて、「さ、帰るぞ」って感じ
・父と出かけることが、子供の頃は恥ずかしくて嫌だった。道を歩いているときも平気でオナラをするし、お店でご飯を食べているときも「これ、あんまりウマないな~」などと、発言してしまう。(中略) どうしてよそいきの顔ができないんでろう?わたしは不思議でならなかった。(P98)
・そういうのもひっくるめてオトーさんなのだからしょうがない。そして、わたしもまた、オトーさんが出先で癇癪を起こすのを他人に見られても、恥ずかしくなくなってきているのだった。図太くなったのである。(P99)
→父についても思うし、祖父にも思っていたな~。祖父は動物好きで、街行くペットを見ればすぐ「チビ、チビ」と呼んだり、急に手を叩いたり(柏手みたいな)するし、子供ながらに「おじいちゃんやめてよ…」と恥ずかしかったなあ。。。
父はそこまでではないけれど、やっぱり「恥ずかしいな」と思う場面もあり、学生のころは一緒に歩くのが恥ずかしかった
今は図太くなったというか、慣れたのと、父ももう若い人から”おじいちゃん”と呼ばれてもおかしくない年齢なので、受け入れられるようになりました
・短気で、すぐ怒鳴るオトーさん もちろん、いいところもあります 好きなところもあります あるのですが、 わたし、 こーゆー人が恋人だったら 絶対にイヤです(P124)
→そうなんですよ。父のすごいな、いいなと思う部分もたくさんあります。車の運転が上手(というか運転するのが苦痛じゃない)だったり、出かけるのが好きで色々なところに連れて行ってくれたり(というか母が出かけるのが好きなんですが)、料理が上手だったりするところ。
けれど、短気でアル中なところは本当に嫌いでした。いまはもう年を取ったのもあり、お酒を飲んでも怒鳴ったり暴れたりはありませんが、昔はひどかった。
学生のころはいいなと思う部分より、嫌な部分のほうが何十倍も上回っていましたが、最近は私も過去のことを許せるようになり、父も年を取ったので冷静に接することができています
・「またな」は、大人に対する言葉だった。父に「またな」って言われるくらい、自分が大人になっていることに、いつもちょっと淋しい気持ちになる。(P131)
→実家に住んでいたころは、当たり前ですが帰る家が同じなので「また」という言葉は出ませんよね。「また」っていうのは、父や母が祖父母に向かって言っていた言葉でした。
今は私は実家を出ているので、実家にたまに寄った帰り際に「またな」「気を付けてね」と言われると、ああ、自分は家を出たんだな…この家の住人ではなくなったんだな、と実感し淋しくなります。同時に、いざとなったら帰れる場所があるんだという気持ちにもなります。
祖父母の場合は、県も離れていてすぐに会いに行けるような距離ではなかったし、「またね」というたびに、あと何回会えるのかなって思ったりしていたのかな~…って考えると、すこしセンチメンタルな気持ちになります。
地震も多いし、今後また感染症が流行するかもしれないし…会えるうちに会っておかないといけないなと思います
・実家に帰ると、テレビの音量に親の歳を思います(P138)
→これは最近私も感じるようになりました。前に比べると音量が若干大きいような…。。
テレビの音量を大きくしているということは、音が聞き取りづらいということだと思うので、話すときは聞こえるようにはっきり話すように最近は心がけています
2冊目はマンガです。小学生のリナちゃん、リナちゃんのお母さんのミナ子さん、夫の妹のタエちゃん、それぞれの視点からの日常で感じたことや悩み、問いかけが描かれています。
私は、女の敵は女だとも思うけれど、女の味方は女という考えでいたいなと思っています。
年を取るとお局って言われたり、若い子が入ってくれば新人いびりのようなことがあったり、女が集まるといろいろなことがあるけれど…
老いというのは、誰しも必ず通る道だと思います。
(ってかだいたいこういう事の発端って無神経な男性が理由なことが多い気がするんですよね~
若い子にはわかりやすくチヤホヤして、ある程度の年齢の人(30以降くらい?)はお局扱いしたり、年齢で扱い方を変えがちな気がする。
真面目にやってるのにお局扱いされる上、若い子にはミスしても「いいのいいの、〇〇さん(お局扱い)にやってもらえば
」とかで優遇していれば、イラだつのも当たり前。。。
そんでもし男側にそういうのヤメロと怒ったところで、「お局さん怖w」みたいに言われたら、発散する矛先を若い子に向けたくなる気持ちも分からなくない…。)
誰にだって青春時代(若かった時代)はあったはずだし、いま若い人だっていずれ絶対に老い、自身が”お局”と呼んでる存在に近づいていくわけだし…。
まあ私がそう思えるようになったのも、30代になってからなんですが…。
↑のような高尚なことを垂れてますが、学生の頃はずいぶん失礼なことも言っていたと思います
不快な思いをさせた人たちには、申し訳なかったなと思っています
・はあーっ 思い返せば いろんな主人公の歳を追い抜いてきたな~(P30)
→マンガやアニメの主人公は歳をとらないから、追い抜く一方ですよね。
最近、過去のドラマを見返した時に「この俳優(女優)、この作品のときまだ〇〇歳だったんだ…若い…」と思うことや、「あの作品の声優さん、もう〇歳なの!?」って思うことが多いです。
キャラクターは歳をとらなくても、中の人は歳をとるから…。。。名探偵コナンとか見てると特に思いますね。。
・どうして女の人は習い事が好きなの?
そうねえ 人生を マシなものにしたいからじゃない?(P46-47)
→女の人って、何歳になっても人と話したり触れ合うのが好きな人が多いからじゃないですかね🤔?(真面目な回答)
もちろん、予定を埋めたいとか、満たされてる感みたいなもの目当てってのもあると思います。
男性の場合は職場での社交がメインだから、定年退職後に人との繋がりが無くなり、新しいコミュニティに参加するわけでもなく、孤独を感じる人が一定数いますよね。
新しいコミュニティに飛び込むのも、男性より女性の方が得意だと思います。
(たぶん本能的なものかな?)
・家事に支障が出ない範囲 家族に迷惑がかからない範囲 どうして どうしてわたしの世界には こんなに約束があるんだろう?(P84)
→子供を産んだんだからそれが当たり前だろうって考え方もあると思いますが、お母さんだって一人の人間ですからね。。
母になったら、やりたいこと・興味のあるもの、全部諦めないといけないのかな?
この作品に出てくるミナ子さんの夫も、だいぶ苛つかせる発言の多い人です
家事に支障が出たらお前も手伝ってやれよな
って言ったら、「俺は働いてる」とか「おまえは専業主婦なんだから」とか言い出しそう。
「専業主婦だから」と言われないために働きに出たいのに、「家事に支障のない範囲で」って舐めてんのか?
今まで丸1日家事に費やしてた時間を、仕事にあてるようになるんだから、支障が出るに決まってんだろう
だから結婚、出産したくないって人もいるんだと思います。
出産育児で働けなくなって、いざ復帰しようとすれば(退職してたら)働く先を見つけるのはそれなりに難しいし、しかも家事と育児と両立(両立どころか並立だよね)しろと。。
女性側の負担大きすぎる。
・みんなが教えてくれる わたしが幸せだってこと 言い聞かされてる気持ちになるのは どうしてなんだろう?(P109)
→自分が満たされていない気持ちのときに、周りに「あなたは幸せだよ」と言われても、確かにとは思えませんよね。
ってか大体幸せの基準なんてその人それぞれだし、「(人と比べて)あなたは幸せだよ」って言われても、比べてる対象の人って誰?って思う。
自分より下を見て納得しなさい、という押し付けじゃないかなと
あと、不幸マウント取る人だと、
「私のほうがこんなに不幸」とも言いがち。
知らんがな
満たされていない時って、無い物ねだりなんですよね。
たぶん、どこの芝でも自分の芝よりは青く見えてしまう
私もそういうときはたくさんあるけれど、諦めることが大事だと思っています。
仕方ないよねーって。
置かれた場所で咲くしかないというか。
それでも諦められないなら、勇気を出して別の環境に飛び込むなりしてみればいいんじゃないかなと。
まあ大体満たされていないときは、「(環境をガラっと変えるほどの勇気や行動力はないけれど)満たされていない」なんですよね。
現実的な人に↑みたいなこと話すと、
「じゃあ環境を変えてみたら?挑戦してみたら?」と言われそう
そして「(わかってるけどそれができないんだよ)…そうだね。」と返事しそう
あとは、対周りの人間で幸せをはからず、対前日の自分、前年の自分と言うように、
過去の自分と比べて今どうか、の視点で考えると楽になるかなと。
私も今でも周りの優秀な同年代に比べると、自分なんて…って思うこともあるけれど、
前の自分ではできなかったことが、今の自分では出来るようになってる!えらい!で毎日生き延びてます
・わたしたち いつの間にか張り合わされてる 自分の持ちものを見せあったって しょうがないのに(P111)
これが一番共感しましたね。
色々なものによって(マスコミや企業のCMとか世の風潮とかetc)いつの間にか張り合わされてるんですよね~。
自分の持っているカード(独身、既婚、子あり、正社員、専業主婦など)を使って、デュエルスタンバイって感じ…。
そのデュエルに勝っても、別に何も変わらないんですけどね。
むしろ、自分は勝っている…勝っているんだ…勝ってるよね…って逆に惨めになっていきそうだ
益田ミリさんの言葉選び、言葉遣いって本当に好きなんですよね。
攻撃的な言葉ではないのに、胸にドスッと刺さると言うか
でも、10~20代前半だったらあんまり共感できなかったのかもしれないなあ~
20代後半~30代になるにつれて、10~20代前半の頃とはまた違った悩みが湧いてくるようになって、人生とは…自分の将来は…って思うようになってから特に共感できるようになったかな
スマックキズツキも読みたいな~