新装版 色の知識
城 一夫
2021/04/30
★ひとことまとめ★
色の由来が分かります
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
名画・デザイン・文化史・世界の国々さまざまな角度から学べる色彩入門書の決定版
西洋絵画の巨匠たちが好んだ色彩や、西洋を中心とした世界30カ国の色彩風景、さらに建築物や陶磁器に由来する色名などを広範囲にわたり採集した一冊。
美しい写真と親しみやすい解説が、入門編にも最適。巻末の色彩科学・文化史年表を加筆した新装版。
・2万5千年前、ラスコー洞窟の壁画に使われた「レッド・オーカー」
・古代ローマ帝国の皇帝に受け継がれた、官能的な「チリアン・パープル」
・18世紀、フランス・サロン社会で大流行した「ポンパドール・ピンク」
・色彩の魔術師、マティスが用いた「空の青、人体のピンク、丘の緑」
・激情や狂気をも表現した、ゴッホの「クローム・イエロー」
・仏教や陰陽五行説を習合した日本の伝統色「赤、白、黒、青、黄」
・僧侶の衣装、王宮や仏教寺院、涅槃の釈迦像…タイに溢れる「ゴールド」…など、初心者にも興味深い話題を多数収録!本書で紹介する550色すべてに由来や用途など詳細な解説付き。CMYK、RGB、マンセル値の色情報も完備。
【感想】
デザイン系のお仕事をされている方とお話する機会も多く、色について調べてみたくなったので読みました。
CMYK値は数値が大きくなればなるほど暗くなり(黒に近づく)、光の三原色であるRGBは数値が大きくなればなるほど明るくなります。(白に近づく)
クレタ・オレンジ(P11)
C0 M57 Y100 K0
R241 G137 B0
鮮やかで可愛いです。
チリアン・パープル(P15)
C59 M93 Y0 K0
R129 G41 B139
伝承によれば将軍カエサルが自ら生成りのトーガをこの貝紫(アクキ貝の一種の巻貝から吐き出される白い分泌物で、太陽光線に曝されると紫色に変色する)で染めたため、以後、皇帝の衣服色となり、他者の着用を禁ずる禁色となった。
「Born in the Purple」=皇太子に生まれるという意味で使われている。
クローム・イエロー(P37)
C0 M14 Y100 K0
R255 G218 B0
ゴッホの「ひまわり」はこの色で描かれているそうです。
ミント・グリーン(P39)
C56 M0 Y40 K0
R114 G196 B171
アール・デコ(P40)
1920年代にヨーロッパを席巻した美術・デザイン様式「装飾芸術(Art Décoratif)」の略。
トコピカル・デコ(P43)
美術・建築用語で、1930年代前後にアメリカ・フロリダ州マイアミ・ビーチに沿って建設されたアール・デコ様式の数百に及ぶ建築群をさしている。大恐慌時代を忘れるための地上の楽園として造られたという。
白を基調色とし、淡いシャーベット系の彩色が施されていた。これらを総合して「トロピカル・デコ」と命名された。
マイアミ・ローズ(P43)
C0 M43 Y4 K0
R243 G173 B199
淡いローズピンク
こんなかわいい色の建物が並んでるなんて可愛いですよね。
ペール・ペパーミント(P43)
C47 M0 Y37 K0
R144 G205 B178
ミントグリーンよりも白っぽくてかわいいです。
ペール・ライラック(P43)
C25 M35 Y0 K0
R198 G174 B211
ライラックは、お花のライラックに由来した色です。
コバルト・ブルー(P68)
C69 M32 Y0 K0
R77 G145 B206
自然の海や池、空を好んで描いたクロード・モネがよく使った色。
別名、モネ・ブルー。
画家の名前を冠した色名
ピカソ・ピンク(P94)
C0 M47 Y16 K0
R242 G163 B176
黄色味がかってて可愛い色です
パティニール・ブルー(P96)
C59 M18 Y0 K0
R104 G173 B224
青の画家と言われているヨアヒム・パティニールの名前がついています。
歴史上の人物の名前を冠した色名
ミカド・オレンジ(P107)
C0 M47 Y88 K0
R244 G158 B36
和名色でいえば、皇太子の袍(朝服の上衣のひとつ)の色で、禁色の「黄丹色」に相当する色。
ファッション・ブランドの色名(P111)
ティファニー・ブルー
C68 M0 Y25 K0
R53 G186 B197
駒鳥の卵の色の淡い青。
サン=ローラン・ピンク
C2 M50 Y0 K0
R238 G157 B193
エルメス・オレンジ
C0 M73 Y98 K0
R236 G102 B4
パッケージに使用されている鮮やかなオレンジ色。
元来ベージュ色の紙を使っていたが、戦後払底してしまい、オレンジ色の紙を使用するようになったといわれる。
スウィーディッシュ・イエロー(P133)
C0 M4 Y100 K
R255 G235 B0
青と同様にスウェーデン人が好む色のひとつ。
ぱきっとした鮮やかな色で見てると元気が出そうな色です。
エージアン・ブルー(P139)
C96 M54 Y0 K0
R0 G100 B179
この色名はエーゲ海の青に由来する色名であるが、地中海の青(メディタレニアン・ブルー)も含んでいる。
美真アフロディテは海の泡から生まれ、青緑色の目をしているといわれている。
ジャパン・レッド(P157)
C4 M97 Y72 K0
R225 G26 B56
浸透の太陽信仰(天照大神)に基づく色、やがて五行説の赤とも習合した。元来、魔除け、厄除けの色であり、古くから神社・仏閣の鳥居、伽藍(がらん、僧侶のあつまる寺院敷地内にある建物群のこと)を飾った。
ジャパン・ヴァイオレット(P157)
C80 M94 Y0 K0
R83 G40 B139
我が国の紫は貝紫ではなく、紫根染めの紫である。聖徳太子による冠位十二階の最高位の大徳、小徳の色。
チリアンパープルに比べると深い紫色です。
同じ色(CMYK・RGB値が同じ)なのに、色名が複数ある場合もあって、読んでいて面白かったです。
昔の人たちは、石だったり貝の分泌物だったり植物だったり、いろんなものから色を抽出して工夫しながら表現していたんだな~ということがわかりました。今たくさんの色が身の回りにあるのは、昔の人たちが試行錯誤してくれたおかげだと思うと、なんだか歴史の重みを感じます。