君が夏を走らせる
瀬尾まいこ
2020/07/14
★ひとことまとめ★
赤ちゃんに終始癒されるお話です
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて──。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。【感想】
もうすぐ2歳の子は赤ちゃんと言っていいんだろうか
?気にせず赤ちゃんと言っちゃいますが、もう終始鈴香ちゃんに癒されます




本屋さんでブックカバーの可愛さにひかれて購入しました

金髪にピアス、高校にもろくに行かない、一言で表すなら”不良”の大田。ある日、かつての不良仲間の中武先輩から「夏休みの間、娘の面倒を見てほしい」という依頼を受けます。奥さんが切迫早産で入院することになってしまい、自身も仕事を休むことができないため、どうしてもと頼み込まれ、大田は先輩の娘・鈴香の子守を引き受けることになります。
1歳10か月の鈴香はまだ意味のある言葉はあまり話すことができず、口癖は”ぶんぶー”。鈴香が”ぶんぶー”というたびに、どういう意味で言っているのか探り探りな大田。試行錯誤しながら、得意の料理や機転をきかせた遊びで鈴香と着実に絆を深めていきます。
そんな大田ですが、鈴香と向き合ううちに自分自身とも向き合い始めます。
赤ちゃんって本当に可能性に満ちていて、さっきまでできなかったことが5分後にはできるようになっていたり、成長がとっても早い!
友達の子供も、ばぶーって言ってたと思ったら、しばらくして会ったらおしゃべりできるようになっていたり…。大人の私たちからするとたった半年1年でも、赤ちゃんは目まぐるしく変化していて、本当に久しぶりに会ったりすると驚きます

それゆえ、1年会わなかったとしても自分は赤ちゃんのことをよく覚えているけれど、赤ちゃんからはすっかり忘れられてしまっているという…。仕方ないんですが、切ないですよね

私からしたら16歳の大田だってまだまだ若いと思ってしまうけれど、それでも可能性の塊の鈴香と接していたら、いまの自分はこのままでいいのだろうかと思うのも仕方ないよねえ…。なんでも挑戦してできるようになっていく鈴香を見ていれば、自分も頑張らなくちゃなと思うよね。
特に毎日やることもなく堕落的な生活をしていた大田が、好奇心でいっぱいの鈴香と生活するうちに、やさしい気持ちで満たされていく姿は見読んでいてほっこりします

なんでもしてあげたい、買ってあげたい、喜ばせてあげたい気持ちもとってもよくわかるな~

鈴香と大田のやり取りを楽しんでるうちにあっという間に読み終えてしまいました!
作品はとても読みやすく、中高校生向きかな?と感じました。瀬尾さんのお話では毎度恒例ですが、おいしい料理もたくさん出てくるのでその料理が食べたくなってきます



そして、なんといっても最初から最後まで鈴香ちゃんが可愛い…
私もむちむちな赤ちゃんの子守をしたい…自分で産んで育ててっていうのはちょっと覚悟がまだできませんが…。。。

読み終えて、あさのあつこさんのあとがきを読んでから気づきましたが、一応前作があったんですね
!

「あと少し、もう少し」という作品は読んだことがなかったので、続編?だったのに気づきませんでした
こちらの作品も読んでみようと思います

