エキストラの役割は、登場人物達を彩る為の生きた背景。
なので当然ながら、悪目立ちはNG。

なら、どうするか? 許される範囲で、どう印象付ける?
大切なのは、望まれている役割を忠実に、ということ。
今回の場合は、子育てセミナーを聞きにきた一人。
ならば、自分は今ここに、聞きに来たと仮定して、
この場に相応しい動き、しぐさ、表情はどんなものかを?

まず、注文は「期待に胸を膨らませて、会場に足を運ぶ」
なら、足取りは軽いよね。
小走りくらいでも大丈夫かな?
手にしたチケットをチラチラ確認しながら、
ウキウキ気分で足を運ぶ。
なら、どんな動き、しぐさが相応しい…?

楽しみにしていた講演。受付で私はどうする?
どんな気持ち、どんな表情だった? どう振舞う?
「単調すぎる。もっと楽しげに。
 知りあいと話しながらでもいいですよ。」
そっか、単独の動きじゃなくてもいいんだ。
他のエキストラに絡んでもいいなら… どうする?
知りあいを見つけて駆け寄り、声をかける。
…というのも、こうした場所の動きとしてはありだよねぇ。
へぇ、のってくれる人がいた。これはありがたい。

さて、会場に入り、指示どおりにテーブルにつく。
撮影の順番はバラバラなのか…
同一条件で撮れるシーンから撮る、という進め方なのね。
ま、そうだよね。
カメラや照明の位置を移動させるの、大変だもの。
その都度時間をかけてたんじゃ、効率悪いよね。

さてと、講演中は、どうふるまえばいいのか?

講師の登場に、期待に満ちた視線を向けて。
聞いている時は、熱心に、頷きながら聞いて下さい。
貴方は、この講演にとても感動し、共感しました。
雑談していて下さい。
この台詞で笑って下さい。
もっとリラックスして。
もっと感動して。
視線はここです。ここに講師がいると思って。
拍手は合図があるまで続けて。 …などなど。
手掛かりとなるのは、監督の説明。
これを自分なりに膨らませて、イメージし、形にする。
視線は、表情は、頷きは…?

カメラの向きから外れている時には、
リラックスして。好きにしていていいとのこと。
邪魔にならないように、じっと観察する。
登場人物達の演技に、周囲の動きや言葉に。
そうか、撮影現場って、こんなモノなのか…

エキストラの立場も色々なのね。
役者(?)を目指している人もいれば、
ミュージシャンを目指している人もいる。
作品関連の事務所所属の人もいれば、
藏本天外さんに心酔している人もいる。
頼まれて…という人もいる。
お初の人もいれば、
既に何度か作品に関わってきた人もいる。
なので、取り組み方は人様々で…

その日、そこにあった全てが、
私にとってはとても刺激的。
好きだなぁ、この雰囲気。
…と言っていられるのは、
私が、ある意味気楽なエキストラだから…?

今回、例えワンシーン、一言であっても、
台詞のある役を得た人は、役者として扱われている。
うん、そういうモノなのだろう…
台詞があるのは、やっぱり羨ましい。

でも、エキストラにはエキストラで、
お気楽以外にも、利点があるような…
だって今回、上手くすると、
三つの場面に出られていたんだよなぁ…
数打ちゃ当たるじゃないけれど、
ちょこっとだけでも画面に出たいのであれば、
確率はあがるよねぇ……

でも、それで私は満足するのか…?

どうせなら、演じたいよねぇ。
言葉を発したい。
すっごく血が騒いでいたものねぇ。

さて、このシリーズ、まだまだ続くようだ。
ならば今回、今後に繋がる何かは得られたのか?
それとも……

焦る必要はないか。
いずれ、嫌でも結果はでるのだから。

取りあえず、今の気持ちを覚え書きとして記録しておこう。