さてと、「私」視線の感想の続きでございます。

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沖田さんの容体が悪化の一途をたどっている事は、
お世話していると分ります。
かなり性質の悪い病にかかられているであろう事も、
たぶん長くは生きられないであろう事も…

その事に、ご自身でも気づいていらっしゃったようです。
沖田さんの中にある焦り、迷い、不安、絶望は
どれほどのものでしょう…?

最初は、命じられてお世話を始めたわけですが、
少しでも沖田さんのお力になる事が出来たらと、
「私」は心から思うようになっていったのです。

少しずつ、ほんの少しずつ距離は縮まって行きましたが、
相変わらず意地悪は続きました。
でも、もう最初の頃のような哀しみは感じません。
それどころか、「私」をわざと遠ざけようとする、
その気持ちが嬉しくて…

何が切っ掛けだったのでしょうか?

あの時も確か「私」に嫌われようと
「私」を遠ざけようと、
わざといやらしく迫るふりをして…
沖田さんの戯れに耐えきれず、逃げ出そうとした時、
沖田さんが激しく咳き込んで………
「私」はそのまま、部屋に留まる事を選びました。

その夜、私達は結ばれました。

「私」にわざと嫌われようとでもするかのように、
ひと時の戯れだと言い切って、
意地悪に、嬲るように、沖田さんは私を抱きました。
わざと苦しむように、首まで絞められて…
わざと痛みを与えられて…
「私」が抵抗しても、泣いても、許してはくれません。

それでも「私」は、沖田さんを嫌う気にはなれなかった。
いつの間にか、心から好きになっていたのです。
何をされても良いと思うくらいに…

意地悪の中に垣間見える沖田さんの本音。
「私」を求める心…
そして、「私」が沖田さんを求める心、
それが彼に伝わって、
身体だけでなく心も結ばれる事が出来たように思います。

この後も、沖田さんは相変わらず意地悪で…
「私」をからかっては喜んで、理不尽な要求も多くて…
でも… それでも…
心を許しているという事は伝わってきて…

短い間でしたが、
お世話をさせて頂いていた時、
「私」は確かに幸せでした。

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「私」視点はここまで。
でも、感想はまだ続くのです(笑)