『また、奇妙な夢を見た。
どこかから聞こえてくる笑い声。
誰だろう…?
何だか憶えがあるような…
空間が歪むような奇妙な感覚。
いつの間にか私は、
見知らぬ祠の前に立っていた。
キイッ
軋むような音を立てて
目の前の祠の扉が開く。
一瞬、背筋がぞくりとした。
なに…?
身体が震える。
冷や汗が浮かぶ。
怖い……
でも…
ふと、ある約束を思い出した。
またここに来るという約束。
私、こんな約束したっけ?
いつ…?
誰と…?
あっ、また笑い声だ。
二つの笑い声。
怖いけど、何だか懐かしくて、恋しい笑い声…
私はそっと、祠に足を踏み入れた。』
作品と微妙に違うって?
気にしない、気にしない、
これは、私はこんな風に感じているという事。
この作品の舞台は……… どこなんでしょう?
まず、風の音、そして、紙らしきものがはためく音が聞こえます。
そして聞こえてくるのは二つの笑い声。
これは現(うつつ)の話なのか? 夢の話なのか?
この辺りはとても曖昧ですね。
「私」を待ちかねていたらしい兄弟に導かれるままに足を踏み入れた
暗い祠の中、ここでお話は進んで行きます。
BGMはありませんし、効果音は最低限。
今回は、風の音、お札がはためく音、そして鈴の音。
この鈴の音がこの作品の中のキーとなる音です。
催眠に誘う時、怖いという気持ちを煽る時など、
要所要所で聞こえてきます。
登場するのはかなり昔に非業の死を遂げた幽霊兄弟。
物静かだがどこか怖い、ねっとりと艶めいた兄と、
やんちゃで悪戯好き、そして欲望に素直な弟。
演じていらっしゃるのは、兄が斎賀みつきさん、弟が代永翼さん。
前者は女性で、後者は男性なのですが…
どちらも性別不明の声をお持ちの声優さん達です。
色々な方の感想を読ませて頂くと、このキャスティング、
斎賀さんが女性だと言う事に不満をお持ちの方もいらっしゃるようですが、
私は聞いていてまったく違和感を感じませんでした。
…というか、なんという艶っぽい声なんでしょう。ほんと、ゾクゾクします。
別にあっちの気はないのですが、ちゃんとその気になりましたね。
一方弟役の代永さんがタナトスで見せて下さるのは、
これまでにない色っぽさとねちっこさ。
もー、これが堪らなくドキドキします。
事に、長くて執拗なキスシーンと、
絡みつくようにねっとりと攻め立てるシーンがあるのですが、
ここらはもう、ドキドキするを通り越して怖いくらい。
ちなみにこの作品、感応時間シリーズの中では
もっとも細かいトラックわけです。
以下にトラックリストを紹介します。
1、兄弟
2、祠
3、決めごと
4、鈴の音
5、花吹雪
6、蝋燭
7、暗闇
8、水滴
9、儀式
10、楔
11、楔
12、弟
13、兄
14、八枚の札
15、逢瀬への指きり
16、フリートーク(初回盤のみ)
こまかいトラック分けは、二人同時にダミヘで録音すると、
お互いの声が干渉しあって不具合が生じる事があるからなんだそうですが、
この作品では、この選択が物語の盛り上げに一役買っているような…
終わらない悪夢… いえ淫夢といった雰囲気が、
両者が交互に登場する事で、より強調されるような気がしますね。
ストーリーは、【いけない遊び】の一言につきます。
…が、これだけでは身も蓋もないですよね(笑)
「私」を欲する幽霊兄弟が、恐怖と快楽を同時に煽り、
魂が浮遊する程の激しい喜びを与え、そして………、という感じ。
本当は魂を奪い、自分たちの仲間にしたがってもいるのですが、
生きている「私」が大好きな二人は、
そのまま連れ去ろうとはせず、見過ごし続けているのです。
「怖いのが気持ちいい」がこの作品のキャッチフレーズなのですが、
ただ心地よく…ではなく、同時に恐怖も煽りたてる幽霊兄弟達。
ですが、怖くても引かれずにはいられない、翻弄されずにいられない…
ひと色ではない複雑な心の揺れが、私にはとっても魅力的。
そして、この作品をより面白くしているのが、空間の使い方。
声に酔いそうになるくらい位置関係が急激に変化するので、
じっと耳を澄ませていると、
次第に、傍にいるのは人間か…?という気分になってくるのです。
聞きなれた今でも、身体がビクッと反応するくらいに…
そういえば、その手の感覚が鋭いブロ友さんはこういったあたり、
リアル過ぎて、本気で怖くなったと言ってましたっけ…
…って、ああもうきりがない!
いつまででも話していたくなってしまう…
もう、大好きを通り越してますね。
取り憑かれていると言っても良いかも…
だからどうしても、冷静な感想になってくれない…
それ程に私は、今もこの作品に魅せられ続けています。
タナトスの兄弟は、私が今一番好きな作品なのです。
あぁ、駄目だ。
やっぱり書き足りない…
でも…
続きは…
他の振り返りもすませてからにしよっと(^O^)
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