『お前だけだ、いつも傍にいてくれるのは…
いつも私の事だけを考え、
私の望みを叶えてくれるのは…
ふーん、今日も持って来てくれたのだな、
私の大好きなアンジールを。
こら、待たせるでない。
さっさと寄こせ。
美味しい…
でも、礼など言わないぞ。
これは当然のことなのだからな。
なんだ…?
今日も私に触れようと言うのか…?
無礼な奴め。
でも、良いだろう、許してやる。
お前に任せてやるから、
いつものように、心地よくしておくれ。
なぁ、お前…
お前はこれからも、いつも私だけを見て、
私の事だけを考えているのだぞ。
お前の役目は、私に仕える事なのだからな…
だから私は、
お前が傍らに立つ事を許してやる。
私に触れる事も、口づける事も許してやる。
こんな事は、他の誰にも許さない。
これは、お前だけだからな……… 』
本編だけを聴いていたら、こんな言葉は浮かばないかも…
口調ももっと女らしいものになるでしょうけど、
ひつじぐもさんの公式サイトの感応時間のショートストーリー、
「恋の催眠騒ぎ」に登場する我儘お嬢様&執事の印象が強すぎて(笑)
言いたい放題、やりたい放題の気まぐれハチャメチャお嬢様に、
お嬢様LOVE、お嬢様一筋の超過保護執事という組み合わせ。
本当にこれが、良いコンビなんですよねぇ♪
でも本編の方は、エロティックで淫靡で、危険な香りも漂っていて…
秘かにこの執事、いけない事を山ほど教え込んでいるのだろうなぁ…と
イメージさせてくれるシロモノなのです。
この執事、身体中をなでまわす事くらいはやってますよね。
身体の不自由なお嬢様です。
着替えだって、お風呂の世話だって、彼の仕事でしょうから。
…というか、彼なら絶対に他の人の手には任せないでしょう。
時にはかなり濃厚な口づけも…
かなり際どい愛撫も…
でも、それ以上は…?
分かりません。
催眠のもたらしたイメージの中で戯れているだけなのか?
それとも………?
まぁこの執事なら、どちらにせよ時間の問題なのでしょう。
自らの欲望を満たす為にというよりは、
愛しくて、可愛くて堪らないお嬢様を
気持ちよくして差し上げたい一心で………ね(笑)
今作の舞台は深い霧に包まれた古城の一室です。
足の不自由な令嬢と彼女を溺愛している執事の間で、
毎日のように繰り広げられる秘めやかな逢瀬が描き出されます。
この作品から、トラックが分割されています。
今作では、催眠のテクニックを導入して作品世界への誘い、
物語の本編、そして催眠の解除の三部構成になっています。
トラックリストは以下の通りです。
Ⅰ、銀の砂時計。あるいは執事と始める、古城の秘めごと
Ⅱ、禁断の果実“アンジール”
Ⅲ、甘いひとときにお茶をどうぞ
Ⅳ、フリートーク(初回盤のみ)
前作「甘味処」と比べると、かなり物語の完成度がアップしていますね。
リスナーの要望を受けた結果なのか、
使用上の注意等はブックレットに記載されて作中には出てきません。
また、催眠の効果の紹介、呼吸の誘導などは、
上手く執事の語りの中に織り込まれていて違和感を感じさせません。
ただ、イメージし辛いシーンが幾つかありますね。
足の悪い「私」がダンス? クライマックスあたりのイメージは…?
ここで戸惑い、考え込んでしまうと醒めてしまうので、
私の場合、イメージする時点でちょっとしたテクニックが必要でした。
でも、慣れてしまうとすんなり作品世界に浸れるようになりました。
執事を演じているのは、緑川光さん。
ちょっと低めの心地よい響きを持った声の声優さんです。
確かな演技、忠実な執事に相応しい落ち着いたトーンで、
ゆっくりじっくり官能を煽り、作品の世界へと導いてくれます。
尚、この作品からダミーヘッドマイクを使用しているのですが、
前作からすると、衝撃的な程に臨場感がアップしています。
声と自分との距離感がやたらとリアルなのです。
耳元で語りかけられると、息遣いまで伝わってくるので、
これだけで身体に震えが走ります。
その上、シナリオといい語り口といい、何ともエロティックなんですよね。
聴いているともう、ドキドキし過ぎて息苦しいくらい。
呼吸も乱れるし… 体温も上がるし… 身体もしっかり反応しちゃうし…
自分でも困るくらいに、変な気分になってしまいます(^O^;)
この作品はBGMは使用していません。
効果音も必要最低限しか使われていません。
これは以後の作品にも踏襲される感応時間シリーズの大きな特徴ですね。
リアルな声を正味で味わうには、最高の作り方だと思います。
ただ、今作は音はとても良いのですが、
効果音が雑音に聞こえてしまった部分が少々…
まぁこれは、慣れてしまうと気にならなくなりましたが(汗)
私は聞いていて、この作品が以後の感応時間シリーズの方向性を
定めたような気がします。
手持ちの感応時間シリーズの作品達の中では聴く頻度が低いのですが、
これはこの作品が劣っているわけではなく、
続く作品達の中に、より私好みの作品があると言うだけです。
後の作品達と比較するならば、まだ物足りなさ、
発展途上といった感触もありますが、完成度は高いです。
とても魅力的な作品に仕上がっていますから、
好みの合う方にとっては、これもたまらない一枚だと思います。
※ 中途半端な修正ではなく、きちっと手を入れる事にしました。
- 「感応時間II~深い霧に包まれた古城~」/発売元:ひつじぐも/販売元:アルドゥール

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