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「怖い…

 どうしようもなく怖い。

 でも私、魅せられている。

 彼の声、彼の言葉に。


 彼の言っている事は全部本当のこと。

 私は、彼の声が与えてくれるものを欲しがってる。

 あの声を耳にすると、私は私でなくなってしまう。

 理性の枷を外された肉体は、

 声の誘いのまま暴走し、快楽をむさぼる。

 それは例えようもなく、怖くて甘美な時。

 

 私は、あの声に抗えない。

 もう、逃げられない…」


作中で語られる事はありませんが、

このシスターの心情が、私にはこんな風に聞こえます。

恐れ、疎みながらも、魅せられて、どんどん深みに嵌っていく…

こういうパターン、好きです。


この作品も、言葉に誘導されて、見事に身体が反応しますが、

それ以上に、聴きながら、心情の変化を楽しんでいますね、私は。

戸惑っている「私」、必死に抵抗しようとする「私」、

魅せられ、流され、従ってしまう「私」、

欲望という本能に忠実な「私」、

その時々に浮かび上がってくる心情により、感じ方が変わる。

感じ方が変われば、振る舞いも変わる。

面白いです。


3作目の舞台は監獄。

独房に鎖で繋がれているのは赤い目の少年。

シスターである私は、

囚人を教唆する為に訪れた筈、なのですが、
少年の声に捕らわれ、甘美な世界に…


私にはマゾっ気があるので、嫌々ながらも引かれてしまうという展開は、

それだけでドキドキします。

それに何と言うか、この少年(?)、可愛いんですよね。

たぶん、かなりの悪党で、山ほど罪を重ねているのだろうけど、

ことシスターに関しては、好きで好きで堪らないって気持ちが垣間見えます。

作中では、かなり露骨に攻撃的に、心も体も翻弄してくれますが、

ふと示す優しさにぐっとくる。あ、嬉しいなと思ってしまう。

5作品の中では、一番暖かさを感じます。

まぁ、身体の方は… まぁ、その…

聴いている最中の自分の反応を思い返すだけで赤面してしまう…

作中のシスターのごとくに。


この作品も、トラック分けがなされ、導眠、本編、解除の三部構成です。

そして、本編のエロティックさは、先行の二作品を上回っています。

うわー、これ、青少年には刺激強すぎない?

大人対象にしないと不味いんじゃ… という代物。

催眠の技法も、うまく「言葉」の中に織り込まれ、消化されていて、

スムーズに作品の中に引き込んで、その気にさせてくれます。


囚人役は、『鳥海浩輔』さん。

少年というより、もう少し年齢が高く感じるんですが、

聴いているとそんな些細な事はどこかに行ってしまいます。

ダミーヘッドの効果もあるのでしょうけど、実に心地よく響く声をお持ちです。

好きですね、この声。

乱暴な物言いの中のナイーブさ、このギャップがたまりません。

間合いと言い、緩急と言い、強弱と言い、

ほんと、上手いなぁ…と、思います。



状況設定と人物設定が特異なので、万人向けとは言えないかも。

こういった世界がお好きな方、また強引に迫られるのを好まれる方には、

堪らない作品だと思います。


本当に、罪なシリーズですよ、「感応時間」は。

普通のドラマCDでしたら、多少の感情移入はあったとしても、

第三者として作品を楽しむのですが、

このシリーズのヒロインは、「私」


催眠の技能も織り込んだ上で、ダミーヘッドを使用した

異常なほどのリアル声と言葉で、「直に」私働きかける。


一度はまると、ほんと底なしです。