健康は細胞から!
細胞からの若返り ヘルスコーチ 山中眞理子
― 骨折後の睡眠問題をどう乗り越えるか ―
骨折などで療養期間が長くなると確実に体力・気力が落ちて、それが長引くと高齢者の場合には深刻な結果に繋がりやすいです。
今日は私自身の骨折療養の経験から強く実感した
「睡眠と骨の回復の深い関係」
そして高齢期に眠れなくなる理由と、その対処についてお話しいたします。
■ 睡眠中に骨がつくられる理由
骨をつくる細胞(骨芽細胞)が最も働くのは、
深いノンレム睡眠 の時間帯です。
このとき分泌される
-
成長ホルモン
-
メラトニン
-
GABA
は、骨の修復・再生、筋肉の回復に欠かせないもの。
つまり
「よく眠れること」=「骨と筋肉の回復が進む条件が整うこと」
なのです。
■ なぜ歳を取ると眠れなくなるのか?
高齢期の睡眠問題は、“加齢だから”という単純な理由ではありません。
さまざまな要素が絡み合って起こります。
● 栄養不足で“睡眠ホルモンが作れない”
睡眠ホルモンは
-
タンパク質
-
ビタミンB群
-
マグネシウム
から作られます。
ところが高齢者は
✔ 食べる量が減る
✔ 吸収力が落ちる
そのため 睡眠ホルモンの材料不足 が起こりやすくなります。
● 夜間頻尿(膀胱だけが原因ではありません)
夜間にトイレに起きる理由としては、
-
膀胱の弾力低下で尿を溜めにくくなる
-
深い睡眠が減り、わずかな覚醒を“尿意”と錯覚する
-
不安感・孤独感による脳の覚醒
-
寝返りのしにくさや痛みによる中途覚醒
などが挙げられます。
さらに冬は夜間頻尿が起きやすくなりますが、布団の中と露押下やトイレとの
寒暖差で血圧が急上昇し、脳梗塞・心筋梗塞のリスクが高まる
ことも知られています。
■ 骨折後は“疲れないから眠れない”
療養中は運動が制限され、どうしても
身体が疲れない → 夜に眠気が来ない
という状態になります。
これが続くと、
-
眠れない
-
成長ホルモンが出ない
-
筋肉がつかない
-
さらに動けなくなる
-
ますます疲れない
という 典型的な悪循環 に陥ります。
■ 大きな矛盾
「睡眠が必要なのに、睡眠薬では骨も筋肉も作れない」
睡眠薬は
⚠ 深い睡眠を減らす
⚠ 成長ホルモンの分泌を抑える
⚠ 高齢者の転倒リスクを増やす。特に夜間のトイレは事故が起きやすい
⚠ 習慣性がつきやすい
という弱点があります。
つまり
「眠りたいのに睡眠薬では回復が進まない」
という矛盾が生じるのです。
■ では、どうすれば良いのか?
ここからが“最適解”です。
🌿【最適解①:安全に“自然な疲労”をつくる】
-
足首回し・踵上げ
-
壁を使ったスクワット
-
日中のこまめな活動
-
太陽光を浴びる
-
深い呼吸を伴う軽い足踏み
「疲れすぎない、心地よい疲労感」を作ることが、自然な眠気につながります。
🌿【最適解②:栄養を整え、眠るための材料を補給】
-
良質なタンパク質
-
ビタミンB群
-
マグネシウム
-
亜鉛
夕方〜夜の栄養不足は、眠りの質に大きく影響します。
🌿【最適解③:夜の水分の取り方を整える】
-
冷たい水を一気に飲まない
-
ぬるめのお湯・白湯・カモミール・ルイボスティー をゆっくり
-
利尿作用のある飲み物は控える
-
水分は“少量をこまめに”
温かい飲み物は深部体温を調整し、自然な眠気を誘導してくれます。
🌿【最適解④:カフェイン・アルコールは時間を守る】
-
コーヒー・紅茶・緑茶は 就寝6〜8時間前まで
-
夕方以降はカフェインレス
-
寝酒は眠りを浅くするため控える
アルコールは寝つきを良くするように見えて、深い睡眠を壊します。
🌿【最適解⑤:寝る1時間前にスマホとテレビをオフ】
ブルーライトは脳を覚醒し続けます。
代わりに
- 読書
- 瞑想
- 祈り
- ストレッチ
- あたたかい照明
- アロマ
などで「脳の夜支度」を整えます。
🌿【最適解⑥:夜の明かりを工夫する】
これは非常に重要です。
■ 廊下やトイレが“明るすぎる”と
→ その後の睡眠がうまく戻らなくなります。
脳が“朝だ”と勘違いしてしまうからです。
《ポイント》
- 廊下・トイレは 足元灯 や間接照明に
- 寝室の照明は暖色系に
- 夜中は絶対に白色LEDを見ないこと
- 寝室の湿度は 50〜60%程度 が理想
- 枕元の温度は25℃が理想
光と湿度は睡眠の質を大きく左右します。
🌿【最適解⑦:朝日に必ずあたる】
朝日には
体内時計をリセットし、夜の睡眠ホルモンを正しく作らせる力
があります。
-
朝起きたらカーテンを開ける
-
ベランダや窓際で3〜10分でOK
-
太陽光が難しい日は強めの照明でも代用可能
「朝日を浴びるだけで睡眠改善が始まる」と言っても過言ではありません。
🌿【最適解⑧:睡眠薬は必要最小限に】
睡眠薬は
“必要なときだけ、短期間”
に使うのが理想です。
自然な眠りの土台を整えてから、慎重に量を調整します。
■ 結論
睡眠は、骨と筋肉の修復に欠かせない「生命の回復時間」です。
しかし高齢期の睡眠は多くの要因が絡み合い、
睡眠薬では根本的に改善できないことが多い のが現実です。
だからこそ
✔ 栄養
✔ 光
✔ 温度と湿度
✔ 水分とカフェイン
✔ メンタル
✔ 運動量
✔ 朝日
✔ 環境
すべてを整える“多角的アプローチ”が必要なのです。
もし
・眠れない
・夜間頻尿
・骨折後の睡眠がつらい
・眠気がこない
・睡眠薬から抜けられない
というお悩みがあれば、ご相談ください。
あなたに合った方法を一緒に探してまいります。
睡眠を整えることは、
骨と心と“生きる力”を取り戻すための最初の一歩。
どうか、焦らず一つずつ積み重ねていきましょう。
今日も穏やかな夜になりますように🕊💤✨
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私のストーリー
幼少時代~学生時代
私は1947年生まれです。
戦後2年目の夏です。
幼少時からとっても細くてひ弱でした。
よく蕁麻疹になっていましたし、学校の入学試験の日に風邪を引いて両親が希望する学校に行かれない。など親を困らせていました。
そんなでしたので小学校に入ってもお給食が食べられないでいました。
中学に入って2キロほど離れた学校に自転車で通うようになってからはだいぶ丈夫になりましたが体育の授業はたいていさぼっていました。バレーボールやバスケットなどのボールゲームが大嫌いだったからです。テニスは少ししましたが、全くセンスがないのは明らかでした。
勉強も好きなことしかしなくて、成績のことなどはあまり気になりませんでした。
とても神経質で内向的でかなりわがままな困った子供時代でした。
学校から帰ると音楽を聴いたり本を読んだりしていました。
高校を卒業すると美術史に興味を持つようになり、イタリアに憧れるようになりました。
それで、イギリスかアメリカに留学させたいと思っていた親は猛反対しましたが、結局許してイタリア留学が叶いました。
憧れのイタリアでの生活は想像以上の変化をもたらしてくれました。
第1に変わったのが、神経質で内向的でははいけない、という点です。社交性を身につけなければ誰も相手にしてくれないし、それでは面白くない、ということに気づいた点です。
第2に変わったのは勉強を好きになったことです。新しいことを学ぶのはとっても楽しいし刺激的だということ。それから、多少、いやでも面倒でも学んだことは何かの役に立つ、と分かったことです。
世界各地のお友達が沢山できて楽しかったです。
