季節を生きる/雨水
2023年2月19日
雨水の時期と由来
雨水(うすい)は、立春の後に続く初春の季節です。
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」・・・『暦便覧』- 太玄斎
雨水の時期:新暦2月19日~3月5日頃
雨水とは、雪が雨へと変わり氷が解け始める時期のこと。2月はまだ大雪が降ることもありますが、それでも少しずつ気温は上昇していきます。
この時期に降る雨は、花や木にとって養分をもたらす恵みの雨ともいえるため、「養花雨(ようかう)」と呼んでいたそうです。
雨水の行事・イベント
■ひな祭り
3月3日はひな祭り。ルーツは上巳(じょうし/じょうみ)の節句という厄払いの行事でしたが、江戸時代に幕府が「五節句」を定めたころから、5月5日の「端午の節句」が男の子の成長を祝う節句であるのに対し、3月3日の「上巳の節句」が女の子の節句として定着しました。
※「上巳」は3月上旬の巳の日という意味
雨水の七十二候
雨水をさらに約5日毎に初候、次候、末候の3つに季節を分けたのが七十二候です。
■第四候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
雨水の初候
新暦2月19日~2月23日頃
大地が潤い活気づく時期という意味
■第五候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)
雨水の次候
新暦2月24日~2月28日頃
春霞がたなびき始める時期という意味
■第六候 草木萌動(そうもくめばえいずる)
小満の末候
新暦3月1日~3月5日頃
草木が萌え出す時期という意味
雨水の草花
■椿(つばき)
花言葉:「理想的な愛」
開花時期:2月~4月
椿は、冬の時期に開花する代表的な花のひとつ。常緑樹で、日本や中国、東南アジアなど広く分布しています。古くから園芸用としても親しまれており、品種も豊富。
■猫柳(ねこやなぎ)
花言葉:「自由」「親切」
開花時期:2月~3月
寒さがまだ厳しい早春から全国各地で見ることができます。柔らかな綿毛がかわいらしい。
■雛菊(ひなぎく)
花言葉:「純潔」「お人よし」
開花時期:3月~5月
別名:デイジー、延命菊(えんめいぎく)、長命菊(ちょうじゅぎく)
雛菊(ヒナギク)はヨーロッパ原産で、英語名のデイジーという呼び方でもよく知られています。日本へは明治時代に渡来し、そのかわいらしい姿から雛菊と呼ばれるようになりました。
■木瓜(ぼけ)
花言葉:「先駆者」「指導者」
開花時期:2月~4月
木瓜(ぼけ)は中国原産で平安時代には既に日本に渡来しており、古くから親しまれてきました。木瓜の果実は香りがあるため、果実酒やジャムなどに利用されています。
雨水に食べたい!旬の食べ物
■明日葉(あしたば)
若葉を積んでも翌日にはまた新しい芽が出てくる、という成長の速さが「明日葉」という名前の由来。おひたしや和え物、てんぷらなどに利用されます。
明日葉の薬膳的効能
明日葉には利尿作用があり水分代謝を高める効果があるため、むくみの改善に効果的。
■独活(うど)
役立たずという意味の「うどの大木」という言い回しは、この独活(うど)のこと。うどは成長すると食べられず、高さ2メートルほどまで大きくなっても、柔らかいため建築素材にも使えない・・・という意味です。
うどの薬膳的効能
うどは身体にたまった余分な水分を取り除く作用があり、むくみなどの改善に効果的。また、身体を温める作用もあるため、冷えからくる肩こり等にも有効です。
■菜の花
菜の花は観賞用の他、食用としても身近な野菜です。たんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含み、和え物などによく利用されます。
菜の花の薬膳的効能
菜の花は肝の機能を助け、のぼせやイライラなどを抑えます。また、血行を改善するため炎症にも効果的です。
■蛤(はまぐり)
形が栗に似ていることから「浜の栗→はまぐり」と名付けられました。貝の組み合わせがひとつひとつ異なることから、良い夫婦の象徴として婚礼料理に並ぶことも多いとか。
はまぐりの薬膳的効能
はまぐりは身体の熱を冷ます効果があります。むくみ、のぼせ、咳や痰の改善に有効です。
貝は身体の疲労をとってくれる。免疫力を高めてくれるので、この時期によい。
雨水はお雛様を出す日
雨水にお雛様を出して、旧暦の3月3日に雛祭りを終えた後に雛人形をしまうというのが風習。
新暦の3月3日だと、期間が短くなってしまいます。旧暦の3月3日は、例年であればお彼岸の頃までとなる。
お彼岸は、三途の川の彼岸と此岸が最も近くなる日。つまり、この世とあの世が最も近くなる日です。
その川に、お雛様の力で私たちの罪穢れを全て吸い取って頂いて、あの世の世界にご先祖様たちと一緒に帰って頂くという儀式。
「川の向こうには私たちの知らない世界(ご先祖様たちがいるあの世)があって、この世でご先祖様たちを祀れば祀るほど、私たちに良い力をもたらしてくれる」と言われています。だから、お彼岸にはお墓参りをしてご先祖様をお祀りするのです。
旧暦の3月3日は、今年の場合は旧閏二月が入るので、カレンダーではひと月ぐらい遅れることになる。
今年の旧暦3月3日は、新暦の4月22日となります。
なので、通常はお彼岸の頃までだが、今年は長くなる。
2/19~4/22まで雛人形を出しっぱなしになるので、それが吉と出るか凶と出るか?
それは、一人一人の日頃の行い次第ということになる。あの世をしっかり祀ることが大切。
また、4月22日は春土用とも重なる。春土用は最も身体を壊しやすい時期となるので、この日にお雛様にあの世に帰って頂くのがどうなのか?
今年はとても気になる暦となっている。