住宅の性能を左右する気密シートの実験
こんにちは。松原です
今日は、先週実験を開始した記事を少々・・・・
下写真は、実験するために準備したものです。
何を実験するかわかりますかね
昨今、住宅では、防湿気密シートというものが数年前より施工されています。
これは、室内の壁のプラスターボードを張る前に、薄い0.2ミリほどの
ビニールのシート状のものを張る工法です。(張る位置は仕様によって様々)
もともとは、外張り断熱等、外壁部に透湿機能があまりないものに対して
の壁内結露対策が発祥です。(主に冬場の結露)
長期優良住宅の認定項目でも、壁の仕様によっては原則、
防湿シートを張らなければならないこともあるのですが、
どこでどういう話を聞いてくるのか、
「長期優良住宅では防湿シートをしなきゃならないと聞いたのですが」
、と勘違いしている方が多いようです。
間違った情報ですね・・・
外壁通気工法で、壁内からの透湿抵抗値が低い(透湿性がある)
仕様にすれば、何も防湿シートは必要ありません。
現に、壁内結露対策から、上記の仕様で防湿シートなしで
長期優良の適合証明書を取得しています。
前置きが長くなりましたが、本題に。
防湿シートを張るメリットには、
1. 気密性を取りやすいのがとてもよく、C値(隙間相当面積)も良い値がでます。
2. 換気計画をちゃんとすれば、快適な省エネルギー(正式には、省エクセルギー)
住宅になります。
この防湿シートのリスクは、計画換気をきちんとしないと、シックハウスの温床になり
ます。 家にラップをするようなもんですから、新建材まるけの家ではVOCが充満しやすく
なるのは想像できると思います。
そういった住宅は、換気計画を怠ったり、24時間換気のスウィッチを切って
長期良好に出かけようもんなら、帰宅した時が大変ですのでご注意を。
もうひとつのデメリットは、夏の逆転結露にあります。
(東海地区の温暖地域では心配しすぎかも)
しかし、現在、
なんと・・・・・・・・
透湿できる防湿気密シートなるものができました。
湿度の比率により透湿抵抗を低くしたり高くしたりする
機能を持っているとのこと。
これなら夏の逆転結露の心配もないし、最悪の事態の断熱欠損にあっても
壁内結露のリスクは軽減されます。
この類のシートは、もともとドイツの商材で、セントロという商品があったのですが
とっても高い製品で、採用には躊躇してました。
そんな時に出会ったのが ザバーン です。
軽井沢のパッシブハウス認定住宅を見学に行ったときに知りました。
時間と交通費をかけた甲斐があったのです
しかし このシート!
そんな都合のよいことできるのかい????
疑いがあるときは即、実験ですね!
更に前置きが長くなりましたが、
「百聞は一見に如かず」
「営業マンや宣伝を鵜呑みにしない」
「自分の目と耳で確認」
がモットーの松原が、またも懲りずに実験します。
本当に片側だけから、湿気を通すのですか~??
そこでこんなもんをつくりました。
水をいれたビーカーから湿気が逃げないように、気密性を高めるためテープをはります。
湿気がもれないように、密着させます。
実際の現場でも、テープの施工はこれが肝! 必ずローラーを当てないと密着性が落ちます。
アップで見るとわかるかと思いますが、裏と表とありますので両方を比較実験します。
透湿性があれば、下にある水は時間とともになくなり、逆に防湿性があれば(透湿性がない)
水は減らないはず(減りが遅い)。
性能が本物なら、左側の水がなくなるのが早いはずなんです
水の減り具合が分かるようにテープに日付けをうって、あとは1-2カ月ほど待ちます。
さーーて。
実験結果はどうでるか???
こうご期待ください。
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