前回のブログで、スカイデッキ消滅の原因として、布団の最適な干し方を検討したためだと書きました。
今回は、実際に佐野さんが作ってくださった立面図に基づき、どのように検討したかについて紹介したいと思います。
検討した干し方は、以下の3案でした。
スカイデッキに布団を干す案です。
スカイデッキの手すりに干すため、前回のブログで述べた、バルコニーの壁と同様の干し方ができますが、子ども部屋の床から腰高窓の下端までの高さは約85㎝あります。
雨仕舞いの関係で、下屋と2階外壁の接続部から窓の下端まで最低25㎝は必要とのことなので、窓の開口部をこれより大きくすることはできず、つまり子ども部屋の床から窓までの高さもこれより低くすることはできません。
通常の階段の蹴上げが約20㎝なので、およそ階段4段分以上に相当し、スカイデッキに干すためには、布団を抱えたまま常にこの高さを上り下りしなければなりません。
踏み台がなければとても無理ですし、踏み台自体も、3段上がりとして1段あたり25㎝の踏み面を確保しようとすれば、全長75㎝、高さ60㎝のかなり大きなものになってしまいます。
それだけの大きさであれば、移動させることも困難で、かと言って六畳程度の子ども部屋に常設しておくことは現実的ではないと思われました。
もう一点だけ気になったのが、布団を干すためにスカイデッキの手すりの高さを約90㎝確保したのですが、これだけ高いと、子ども部屋に入る日差しのほとんどを遮ってしまうおそれがあることでした。
いずれにせよ、やはりスカイデッキに布団を干すには不便な点が多いことが、この立面図によって浮き彫りになりました。
腰高窓自体の高さは限界まで大きくしているので、開口部としては十分確保できていますが、やはり床からの高さが最大のネックになりました。
スカイデッキの設置目的が違い、布団を抱えてという前提がなければ、この高さを出入りすることも有りだったと思います。
屋根に布団を干す案です。
1階の屋根なので、正確には下屋に干すという表現になるかと思います。
佐野さんからはなかなか画期的な方法との言葉をいただきましたが、妻は実家でこのようにして布団を干していたそうです。
そういえば、妻の実家にはバルコニーはありませんでした。
この案の問題点は、屋根は見た目よりもかなり汚れているということで、その汚れを如何にして避けながら綺麗に布団を干すことができるか、その一点に尽きると思います。
妻は、屋根の上にブルーシートを敷き、さらにその上に布団を干すという構想を持っており、確かにその方法であれば汚れを気にする必要はありません。
しかし、子ども部屋の中にいながらにして、約200㎝ある布団を先端までしっかり伸ばした状態で、ブルーシートの上に乗せるということが可能だとは、僕にはとても思えませんでした。
当然のことですが、布団を干すために屋根の上に人が乗ることには絶対反対です。
わが家の屋根勾配はかなり緩く、転落する危険性が低いことは十分わかっていますが、たとえ僅かでも危険が伴えば、それと布団干しとを天秤にかける理由は何もありません。
妻は、屋根の上に乗らずして綺麗に布団を干すことは可能だと言い張っていましたが、たとえ妻がそうであったとしても、将来的には、子どもたちには自分の布団くらいは自分で干させようと思っており、いざその時に、子どもたちが屋根の上に乗って布団を干そうとする可能性は、現時点では排除しきれていないのも事実です。
窓に設置したバーに布団を干す案です。
布団が屋根に付かないように、2階の床から約155㎝の高さにバーが設置されています。
エムズさんで採用しているバーは「ホセ」という名前の商品で、正確には窓ではなく外壁に下地を作って取り付けられるようです。
一般的なバルコニーの壁の高さが120㎝で、妻は今住んでいるアパートのほぼ同じ高さに問題なく布団を干せているので、バーの設置位置との差を埋めるために、端材を利用した30㎝の踏み台をエムズさんに作っていただくことにしました。
窓の開口部は、最大で約130㎝まで広げることが可能で、それだけ余裕があれば、バーに布団を掛けることも苦にはならないのではないかと思われました。
常に半面しか日に当てられず、屋根にぎりぎり付きそうなところが若干不満ですが、これまで検討した中では、いちばん危険も労力も小さくて済むのがこの案なのかな、と思いました。
以上のとおり検討した結果、3番目のバーに干す案を採用することになり、スカイデッキはあえなく消滅することになりました。
実は、打ち合わせの初期の段階で、すでにバーに布団を掛けるという提案はされていたため、そこに一時スカイデッキが付いて、この検討を経て元に戻っただけとも言えます。
それでも、たかが布団の干し方とは言え真剣に検討したことは、決して無駄だったとは思っていません。
スカイデッキについては、現時点では設置を見送りましたが、腰高窓の開口部を広げておくことで、問題点がクリアできそうなら再び設置を検討することはできますし、バーに干すにしても、最初のころよりはずっと楽な方法になったと思っています。
なによりも、もし採用した案に不具合があったとしても、それで布団を干せなくなるわけではありませんし、多少面倒ではありますが、1階で干したり、布団乾燥機を使ったりという方法もあるため、十分検討した結果であれば仕方ないと思えるかな、という心境になれたことが大きいです。