総持寺寄席便り(2018/4/27)
覗いてみると、いつの間に来たのか常やんがちゃんと座って
酒を呑んでいる。おとわはんちょっと覗いてみ、常やんがお
るから。言われて覗くと常やんが。合点のいかないおとわに
何でと訊かれた次郎喜、一つだけ思い当たることがある、こ
ないだ、講釈を聞きに行くと。「難波戦記・真田の抜け穴」と
いうのを演ってた。大阪城に立てこもった幸村が、徳川方の
軍勢を引き付けて、あっち、こっちに抜け穴掘って、こっち
の抜け穴からズボッと出てチャンチャンバラバラやって、ズ
ボッと入ってこっちシュ~ッと抜けて「やぁやぁ我こそは幸
村」またズボッと入ってあっちからシュッ、ズボッシュッ、
一人の幸村が五人にも六人にも見えた。
常やん一生懸命聞いてた。お前とこの縁の下からこの稽古屋
へ、地下に穴を掘ってるんや、ほんで向こうから入って出て
ここで一杯呑んで、穴に入ってあっちに出て昼寝してるよう
な顔してな、また穴に入ってこっちで酒呑んで。畳を上げて
床板を外すと穴があるはずや、そこで待って、穴から飛び出
して来た常やんを押さえるんや。そして家帰って、瀬戸物を
バンバ~ンと割ってまえ。何でそない最前から瀬戸もんばっ
かり?というおとわに、「こら万々(ばんばん)こっちの都合が
あるねん」とにかくわしが付いてるさかいな。
二人の話を聞いた常やん。町を歩くとみんなニヤニヤ笑って
妙なことを言うし、頭にカスミがかかったような、事による
と、狐狸妖怪の仕業かも知れん。次郎貴、稽古屋までわしに
付き合え、わしを見に行くから。おいおとわ、わしが出て行
ったら表も裏も窓もしっかりと戸締りして、ガッチリ閂(かん
ぬき)下ろして、わしが帰るまで戸を開けることはならんぞ。
稽古屋に来た常やん、どの穴から覗いたんや、これか?わし
がいてるかどうか覗いてみ。早いなあ、いつの間に入ったん
やろ、また酒呑んで?着物の縞柄、持ちもんまでよぉ似せた
なあ。こうなると“俺があいつか、あいつが俺か”
第13回総持寺寄席も、明日になりました !!
どうぞ、笑いに来てください。
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