昨年から続いている(映画界における)宇宙人来航ブーム。
友好的な連中もいますが、定番(?)はやはり侵略者。
「地球征服を企む宇宙人」なんて聞いたら、中学31年生な私はそれだけで燃えてしまいます。


この作品は、昔からハリウッド映画の定番ジャンルだった「海戦もの」のフォーマットで作られています。
ストーリーは単純明快。
地球侵略を企む宇宙人が世界各地に襲来。日米はじめ各国の艦隊が合同演習を行なっていたハワイにも出現。
海の兵士たちが協力して侵略者に立ち向かう…。


まあ、手垢がつきまくったような物語ではあります。
しかも、「軍人としての才能はあるけど人間的に未熟な若者が、窮地に陥ることで人間としても軍人としても成長していく」という、これまた何十回も観たような話が基礎にあります。
とにかく大人げない(特に冒頭)主人公は、まさに中学生。その部分だけは親近感湧きまくりです(苦笑)。


どう見てもアメリカ海軍賛美映画ですが、そこは割り切って観ると結構楽しめます。
海軍の描写はやたら丁寧だし、クライマックスで意外な兵器と人々が活躍するあたり、組織としてのアメリカ海軍へのリスペクトが満載です。

まあ、そのあたり、「時代錯誤の戦争賛美」と受け取る人は多いでしょうが…。


注目点は、やはり浅野忠信の出演でしょう。
ハリウッド・デビュー作の『マイティ・ソー』に続いて、今回もSF・ファンタジー系の作品。つまり、SFXが“主役”と言ってもいいジャンルの作品なので、せっかくの彼の演技の実力が発揮されないのでは?もったいないなあ点…と心配しておりました。
しかし、今回は主人公の好敵手でありパートナーになる重要な役どころ。しかも、自衛艦の艦長としての風格も(それなりに)あり、とりあえず薄っぺらな演技力では務まらない役でした。これをステップに、徐々に人間ドラマでの起用が増えるといいですね。


正直言ってツッコミどころ満載ですが、それがあまり気にならないまま最後まで見せてくれるのは、監督のピーター・バーグの手腕でしょう。


私は、結構好きなタイプの映画でした。