あの古典的名作を『バイオハザード』の監督が映画化!?と聞いて、やっぱりバイオレンス描写たっぷりの映画になるのか?ミレディ(ミラ姐さん)が二挺拳銃撃ちまくるのか?などと予想しておりましたが…。


予想は裏切られまくりでした。

まず、基本的にはかなり原作に忠実な、割とまっとうな歴史冒険活劇になっていたこと。何と言っても、画面に血が登場しない!これは意外でしたね。

でも、クライマックスは時代考証(たぶん)無視の飛行船バトル。まあ、これくらいやってもいいだろう、みたいに思えてくるのがすごいです。

冒頭、三銃士とミレディが盗みに入るところで、いろんな仕掛けがしてあるところは、やっぱり『バイオハザード』だなあ、と思わせます。

ミレディは完全に不二子ちゃん状態。寝返りまくります。ほとんど無表情で銃を撃ちまくる『バイオハザード』とは正反対、表情豊かに男たちを手玉に取ります。

オーランド・ブルームの悪役は十分合格点。あの顔立ちだから凄味はないけど、芝居がしっかりしてるからOK。

凄味担当は、リシュリュー役のクリストフ・ヴァルツ。『イングロリアス・バスターズ』の、極悪非道だけど知的で紳士的というヒッチコック映画タイプの悪役ほどのインパクトはありませんが、やっぱりこういう役にはピッタリです。

意外な掘り出し物がルイ13世。おバカなんだけど何だか憎めない。女性なら母性本能をくすぐられるんじゃないでしょうか。演じているフレディ・フォックスって、エドワード・フォックスの息子なんですね。お父さんはお元気かしら?

クライマックスは『天空の城ラピュタ』。ダルタニアンがロシュフォールと敵対する原因は『荒野の用心棒』の引用らしいです。

原作の世界観を保ちながら大胆なアレンジを施してあるのは、ある意味『バイオハザード』と似たようなアプローチと言えるかも知れません。

上映時間も104分といいあんばいにまとめてあり、まさに娯楽映画のお手本!

ちなみに、私が試写で観せて頂いたのは吹き替え版でしたが、これも意外に完成度高し。ミラ姐さんの声、声優ぽくはないけどミレディの雰囲気に合ってるなと思っていたら、何と金麦お姉さんこと壇れい。上手いじゃん。

でも、もっと驚いたのが、ダルタニアンの溝端淳平。てっきり本職の声優さんがアテていると思ってました。声質も演技も本職並み。驚きました。