なるべく簡単に。でも、やっぱりマニアックなところはネチっこく書きます(笑)。
原作に関する予備知識ほとんどなく観ました。
第二次世界大戦中のアメリカ。主人公の青年は純粋な愛国心とナチスへの義憤に駆られて兵役を志願しますが、小柄でガリガリな上、母親同様結核持ちだったため、何度受けても落ちまくり。
でも、捨てる神あれば拾う神あり。アメリカ軍の秘密の研究に携わっていたドイツからの亡命科学者(『プラダを着た悪魔』のハゲオカマ)が、彼を超人的な肉体に改造。ムキムキの体になった彼は、兵役に落ちたことで彼をバカにした近所の連中を「今に見ておれでございますよ」と皆殺しに…しません(当たり前)。丑三つの村じゃねえし。
実は、ドイツの方にも、ハゲオカマ博士によって超人的な能力を身に着けた悪党がいて、当然こいつはナチスも差し置いて世界征服を企むわけですが、なにせこいつが『マトリックス』のエージェント・スミスなので、いつ増殖するのかと、映画を観ている間じゅう心配になります。
ハゲオカマ博士が不慮の死を遂げた後、主人公を科学的に(?)サポートするのが、何とアイアンマン=トニー・スタークの親父さん、ハワード・スターク。『007』の発明おじさん=Qのようなポジションでもあります。でも、この親父さん、名前からしてやっぱりハワード・ヒューズがモデルなのかなあ?そう考えると、映画の中のハワードがどこかディカプリオぽく見えるのにも合点がいくのだが(デカプーの『アビエイター』はヒューズの話)。
全編レトロな世界でのSFと言えば、重労働…もといジュード・ロウ『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』なんて快作もありました。雰囲気も似てるけど、タイトルも似てるなあ。個人的には、好きな作りです。
後半、彼が少数精鋭の部隊を率いて大活躍するあたりは、『特攻大作戦』やら『イングロリアス・バスターズ』あたりの“ならず者部隊”ものっぽくて、これまた個人的に好きなノリ。
まあ、これでやっと来年の『アベンジャーズ』の材料が揃った、てな感じの終わり方ですが、結末はメル・ギブソンの『フォーエバー・ヤング』ぽいな。ついでに、同じような結末にすりゃよかったのに。
2時間強ですが、テンポも良くて見せ場満載。飽きずに最後まで観れました。