ブログ更新をサボっていた間に観た映画の感想を順番に書いていこうかと思っていたのですが、今日観たこの作品の出来があまりに素晴らしかったので、とりあえずこれから書きます。


テンポは良いし、うまくまとまっています。しかも、これだけ濃い内容の話を105分にまとめてあるのがよろしいです。

以前のシリーズでいうと、3作目『新・猿の惑星』と4作目『猿の惑星/征服』をベースにしながらも、まったく新しい物語で「猿の惑星がいかにして誕生したか」を描いているわけですね。

当然、1作目にリンクする要素(火星探査ロケットの打ち上げなど)もきちんと入っているし、知能が高い猿の名前が4・5作目と同じシーザーだったり、まさに「エピソード・ゼロ」になっているわけですが、1作目はじめ前シリーズへのオマージュも、たっぷりと散りばめられております。

クライマックスで、猿の群れを騎馬警官隊が攻撃するシーンは、1作目で馬に乗ったゴリラが人間狩りをするシーンの裏返しだし、1・2作目で宇宙飛行士のテイラーを演じたチャールトン・ヘストンもしっかり登場します(テレビで放送している『華麗なる激情』のワンシーン)。シーザーが始めて喋る言葉「No!」は、確か『征服』でもシーザーが始めて(公の場で)発した言葉だったはず(少なくとも、それまで人間から高圧的に言われてきた言葉を逆に発する、というシチュエーションは同じ)。

でも、一番凄かったのが、人名のオマージュ(と言うより、ほとんど小ネタ)。主人公ウィル(ジェームズ・フランコ)が属している製薬会社の社長の名前は、前シリーズをすべて手がけたプロデューサーのアーサー・P・ジェイコブスから(あー、どちらもカネを出す人だからね)。ウィルの同僚の研究員は、1作目の監督フランクリン・J・シャフナーから。猿の1人(?)モーリスは、1・2作目でオランウータンのザイアス議長を演じた舞台の名優モーリス・エヴァンズから。

中でも、ハリー・ポッターの代わりにシーザーをいたぶる動物保護センターの係員ドラコ・マルフォイ…もといトム・フェルトンの役名「ドッジ・ランドン」は、1作目でテイラーと共に猿の惑星に着いた飛行士2人の名前を(そのまま)くっつけたもの。

あと、逆にシーザーに(割りと)好意的な係員の名前ロドニーは、テイラーに好意的だったチンパンジーのコーネリアス(1・3作目)、そしてシーザー(4・5作目)を演じたロディ・マクドウォールにひっかけたものらしいです。

てな感じで、どうでもいいことに詳しい私は、小ネタの波状攻撃に、観ているうちに気が散って話に集中できなくなってしまいました(苦笑)。