一昨日、業務試写で観せて頂きました。
近年特に増えているという「うつ病」がテーマということで、セオリー通りならば重苦しくてお涙頂戴の作品になりそうなものですが、この映画は全体的にほんわかムードで、クスリと笑わせる箇所がいくつもあります。
原作のエッセイ漫画は未読ですが、映画の中にも登場する画の雰囲気から推察するに、恐らく原作のテイストにかなり近づけているのではないかと思います。
主演は宮﨑あおいと堺雅人の『篤姫』コンビ。またもや夫婦役です。生真面目サラリーマンの夫が、心身ともに疲れ果ててうつ病になり、(この時点では)売れない漫画家の奥さん・うつ姫(爆)…もとい、あおいちゃんが支えていきます。
まあ、堺さんは、優しそうだけど神経細やかそうで、いかにも「うつ病になりそう」なイメージです(いろんな意味で失礼千万な発言、平にご容赦を)。あおいちゃんは…可愛いですね(そこかよ)。
あおいちゃんの両親が、大杉漣と余貴美子という、これまた強烈な組み合わせ。でも、作品のムードに合わせてあたたかモードです。
堺さんのお兄さん役で津田寛治がワンシーン登場。予想通り、うつ病の人に対して最大の禁句である「頑張れ!」を(悪気はないけど)連発してくれます。しかもご丁寧に、短時間に集中砲撃。
このあたり、若干わざとらしいと言えばわざとらしい匂いがしないでもないですが…。
全く関係ないんですが、私の親友の結婚披露宴の時、彼の上司がスピーチで「別れる」「切れる」「離れる」などの禁句を見事に散りばめ、しまいには三島由紀夫が割腹自殺した話までしたことを思い出しました。あそこまでくれば、絶対に「うっかり」じゃなくて、ワザとだよなあ。あいつ、よっぽど上司に嫌われてたのか?
話を戻します(逸れ過ぎだろ)。
そんな感じで(どんな感じだ?)、最近の邦画の中では悪くない出来でしょう。上映時間を2時間以内に収めていたら、もっとよかったですけど。
題材もいいし、主演の組み合わせも「いかにも」なので、結構ヒットするんじゃないでしょうかね。