※ネタバレ入ってます!要注意!


タイトル見て『ミスターYKの複数形』と意訳したそこのあなた!ある意味正解!(爆)


というバカ話は置いといて…


田舎町近くの沼か何か(覚えとけよ)に軍用機が墜落、搭載していた細菌兵器のウイルスが流出して町の水道水に混入。感染した者は凶暴化していく…という、『復活の日』か『カサンドラ・クロス』かといった感じの物語ですが、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に作った同原題作品のリメイク。


熊本に来るのかなあ、と心配しておりましたが、一応来ましたね。はませんの1ヶ所だけですが。


オリジナル版は日本では劇場未公開でしたが、70年代末に『細菌兵器に襲われた街』というタイトルでテレビ放映されました。『第2のカサンドラ・クロス事件!?』なんて副題が当時を偲ばせますが、こっちの方が『カサンドラ-』より先に作られている(=当時公開された『カサンドラ-』に当て込んで、ようやくテレビ放映された)のが、いかにも70年代らしいノリです。

無名俳優と記録フィルムを多用した、いかにも低予算の作品ながら、それがかえってドキュメンタリーぽい雰囲気を醸し出していました。突き放したようなラストは後の『ゾンビ』(広義のゾンビ映画ではなく、もちろん78年の同名作)に通じるものがあります。

確か、私も当時、年末深夜の『年忘れ映画劇場』みたいなやつで見た記憶があります。非常に印象に残っているシーンが、編み物をしていた婆ちゃんのところに、街を制圧に来た防護服姿の兵士(確か)が来て、おとなしそうな婆ちゃんなので油断していると、いきなり編み棒で兵士を刺し殺すところ。結構トラウマものです。


オリジナル版が特定の主人公を設けず、街の人々、そして事態を収拾しようとする軍人や科学者たちの群像劇というスタイルをとっていたのに対し、今回のリメイクは街の保安官と女医の夫婦を主人公に、仲間たちと街から脱出を図るという、モロに『ゾンビ』的な構成になっています。オリジナル版が群像劇でそこそこスケール感がありましたが、今回は登場人物を絞ったために、ちょっとこじんまりとまとまった感があります。主人公たちのキャラ設定もかなり『ゾンビ』的。襲ってくる感染者たちも、オリジナルが割りと普通の状態だったのに対し、今回は症状が悪化していくとモロにゾンビ。何でもかんでも『ゾンビ』に似せなくても…と思ったが、製作総指揮を当のロメロが務めて伊いるところを見ると、これでよかったのかねえ。


あ、最終的なエンディングの展開は、松竹製のホラー系SF『吸血鬼ゴケミドロ』っぽいですな。


個人的に気に入ったのがオープニング。いきなりかかるのが、キューブリックの『博士の異常な愛情』のエンディングに流れた『We'll Meet Again』のカントリー・ヴァージョン!しかも、歌っているのがジョニー・キャッシュ!おまけに、直後のシーンで口笛で流れるのが、同じく『博士の異常な愛情』でしつこく流れた『ジョニーの凱旋』。。ま、言いたいことは分からんでもないです。


でも、編み物婆ちゃんが出てこなかったのはいかんなあ…。