ゴジラ映画の音楽を作品毎に可能な限り完全に収録したCD全集。最終巻となるBOX6は、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』から(今のところ)最終作『ゴジラ ファイナル・ウォーズ』までの5作品に、ボーナス・ディスクとしてローランド・エメリッヒ監督の困ったアメリカ版『GODZILLA』を加えたセット。東宝ミュージックより通販のみで4月25日発売。連休前に届いたので、GWの早朝に毎日1枚ずつ聴いております(恥)。どうでもいいことですが、うちの娘が生まれて初めて観た映画が金子監督の『GMK』(うわぁ…)で、以降はずっと娘と一緒に観にい行ったので、ここら辺の作品の音楽を聴くと、娘の小さい頃を思い出します(大恥)。
今回のBOX、収録作品のうち、半分の3作品の作曲を大島ミチル女史が担当している、別名『ミチルBOX』(私命名)。他はそれぞれ大谷幸、キース・エマーソン、デヴィッド・アーノルドと、バラエティ豊かな顔ぶれが1作品ずつ担当。
しかし、大島さんのゴジラ音楽は素晴らしいものです。個人的には、伊福部先生以外では1,2を争う出来のゴジラ・サウンドだと思います。ゴジラというキャラにピッタリの重厚でアクの強いテーマ曲。戦闘シーンの音楽のテンションの高さや自衛隊関係の曲のカッコ良さ(『ショムニ』や『ごくせん』に通じる作風)も特筆もの。しかも、ゴジラ映画の伝統は守りつつ、シリーズを手がけた作曲家の皆さんがいつも悩まされた伊福部音楽の呪縛をサラリとかわしているところは、まったく驚嘆させられます。
もちろん、他の作曲家の皆さんもそれぞれ健闘して、いい仕事なさってます。
で、今回のBOXが(一応)最終巻ということで、6つのBOX全巻購入者への特典も一緒に送って来ました。それが、レコーディング風景など伊福部先生関連の映像を集めたDVD。
個人的に一番嬉しかったのが、1983年8月5日に日比谷公会堂で行われた伝説のコンサート『SF特撮映画音楽の夕べ』の映像が収録されていること。司会を務めた平田昭彦さんが芹沢博士のセリフを再現したり、田中友幸プロデューサーや本多猪四郎監督、そして伊福部先生のスピーチが収められています。黄金期の東宝SFを支えた皆さんが一堂に会していること、そして皆さんが故人となってしまったという点でも、本当に貴重な記録ですね。
私は当時高1でしたが、神奈川に叔父が住んでいて、そこに厄介になることを条件にムリを言って行かせてもらいました。あの前説(?)が再び見られるとは、夢にも思っていませんでした。
画像(すみません、並びがヘンで…)は、その時に頂いた、伊福部先生と平田さんのサインです。お二人とも、いきなりサインをねだった田舎の高校生に対して、快く書いて下さったのが印象に残っています。特に伊福部先生は、私のフルネームを尋ねられてきちんと書いて下さいました。その時、「ああ、このお方のファンになって良かった!死ぬまでついて行きます!」と思いました(笑)。
<東宝ミュージックHP 『ゴジラ・サウンドトラック・パーフェクトコレクション』>
http://www.thm-store.jp/cnts/st01-06.html